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運用会社の破綻で注目、「レセプト債」って何?

2015/11/13(金) 17:00配信

THE PAGE

 医療機関の診療報酬請求権を買い取り証券化した、いわゆる「レセプト債」を発行していた運用会社が破綻するという事件が発生しました。そもそもレセプト債とはどのような仕組みとなっており、今回の事件は何が原因なのでしょうか。

レセプト債とは

 日本の医療は国民皆保険制度になっており、原則3割の自己負担で医療費をカバーすることができます。私たちが病院に行って支払ったお金は治療費全体の3割に過ぎず、残りは公的保険から支払われます。つまり病院側は、公的保険業務を行っている健康保険組合などに治療費を請求しているわけです。

 ところが、健康保険組合への診療報酬の請求や支払いには煩雑な手続きが必要となっており、実際に医療機関に支払われるまでの期間が長く(約2カ月)なっています。このため資金繰りが厳しい医療機関は、診療報酬を請求する権利を投資家に販売して現金化することがあります。この請求権を証券化し、小分けにして販売したのがレセプト債というわけです。

あらゆるものを証券化することが可能

 近年は金融技術が発達しており、あらゆるものを証券化することが可能となっています。レセプト債以外にも、企業の売掛債権などを証券化したものがありますが、個人投資家向けに小口で販売されるケースは多くありません。

 今回破たんした資産運用会社は、自社が組成したファンド3社を通じて、診療報酬請求権を買い取り、レセプト債を発行。7つの証券会社が投資家に販売していました。投資家にしてみれば、健康保険組合は確実に診療報酬を支払ってくれるはずですから、手堅い投資先ということになります。しかしそれはファンドを運用する会社がしっかりと業務を行っていればの話です。

レセプト債の発行総額は約227億円

 レセプト債の発行総額は約227億円にのぼっていますが、その大部分は償還されない可能性が高いといわれています。同社については不審な点があるとして証券取引等監視委員会が調査を始めており、正確なところは同委員会の調査結果が出るまでは分かりません。

 しかし、健康保険組合から支払われるお金は顧客のお金であり、同社の自己資金とは分別管理されているはずです。本来、顧客のものである資金が償還されていないという現状を考えると、資産運用会社が別の目的に資金を使い込んでしまった可能性が高いということになります。

 確かにレセプト債そのものは安全かもしれませんが、それを発行し、管理する会社が不正を行った場合には、債券の安全性とは関係ない話になってしまいます。投資家の数は全国で数千人に達するといわれていますから、投資家1人当たり数百万円の投資をしていた計算です。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2016/2/14(日) 2:33
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