ここから本文です

成長戦略で掲げた「ビジネス環境ランキング3位以内」、年々順位は下落

2015/11/16(月) 9:00配信

THE PAGE

 安倍政権が成長戦略における目標の一つとして掲げていた世界銀行によるビジネス環境ランキングで、逆に順位を下げるという事態になっています。具体的な目標を掲げることの是非についても議論となりそうです。

年を追うごとに状況が悪化

 世界銀行では、各国を対象に、ビジネスのやりやすさなどをランキングした調査結果を毎年公表しています。安倍政権は2013年にまとめた成長戦略において、このランキングで先進国3位以内を目指すという具体的な目標を掲げ、規制緩和など構造改革を進めていくと表明しました。毎年、その進捗状況をチェックすることも成長戦略の中に明記されています。

 最新(2016年版)のランキングにおいて、日本は全体で34位、先進国の中では24位という結果でした。安倍政権が3位以内という目標を掲げた2013年時点では、全体で24位、先進国では15位でしたが、年を追うごとに状況が悪化しています。ビジネス環境という面に限って言えば、アベノミクスにおける成長戦略は進展するどころか、後退しているといってよいでしょう。

 ちなみに、ランキングの1位はシンガポール、2位はニュージーランド、3位はデンマーク、4位は韓国となっています。大国では英国が6位、米国が7位、ドイツが15位、フランスが27位でした。

 詳細項目を見ると、日本が高いランキングを獲得したのは破たん処理(2位)と電力供給(14位)だけで、その他の項目はかなりの低ランクです。税金面は121位、開業のしやすさは81位でした。

実際、ビジネスはやりにくい

 破たん処理が低コストで早く進むことは悪いことではありませんが、あまり前向きな評価項目とはいえません。また先進国であれば電力が安定的に供給されることや手続きが簡単なことは当然ですから、こちらも手放しでは喜べません。もし破たん処理の項目がなければ、順位はさらに低下することになるでしょう。

 日本におけるビジネスのやりにくさは、実際に起業した人は嫌という程経験していることです。以前から改善を求める声がありますが、改革はほとんど進んでいないのが実状です。

 アベノミクスの成長戦略はあまりにも細かい内容を盛り込みすぎており、ほとんどの国民がその全体像を把握できていません。ビジネス環境ランキングについても、明確な政治目標として掲げたものですから、状況が悪化しているということであれば、その原因についてしっかりとした検証が行われるべきでしょう。しかし永田町には今のところそういった動きは見られません。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2016/1/17(日) 3:40
THE PAGE