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景気後退がより鮮明に、原因は企業の設備投資か?

2015/11/17(火) 7:00配信

THE PAGE

 事前に予想されていた通り、7~9月期のGDP(国内総生産)がマイナスとなったことで、景気が後退していることがより鮮明になってきました。日本の景気はどうなるのでしょうか。

2四半期連続のマイナス成長

 内閣府は16日、2015年7~9月期のGDP(国内総生産)速報値を発表しました。物価の影響を除いた実質はマイナス0.2%、年率換算ではマイナス0.8%という結果でした。前期はマイナス0.2%でしたから、2四半期連続のマイナス成長ということになります。

 今回、景気の足を引っ張ったのは企業の設備投資です。今期の設備投資はマイナス1.3%となっており、前期に引き続いて大幅なマイナスとなりました。GDPの6割は個人消費が占めており、こちらについてはプラス0.5%とまずまずの結果だったのですが、設備投資の落ち込みが大きく、消費のプラスを打ち消してしまいました。設備投資は全体の15%を占める程度ですが、将来の経済成長を生み出す原動力となるものですから、経済動向を考える上では非常に重要です。この部分が弱いと将来の成長にも影響してくることになるわけです。

鈍い企業の反応

 政府は先月16日、官民対話の初会合を開催し、企業に対して設備投資を増強するよう強く要請しましたが、企業の反応は鈍いようです。企業は市場環境を見ながら設備投資の額を決定しますから、政府の要請によって簡単に投資額を増やすことはないでしょう。

 今期、企業の設備投資が大幅なマイナスとなったのは中国ショックによる影響が大きいと考えられます。しかし日本企業の設備投資に対する消極姿勢は今に始まったことではありません。日本企業が設備投資に後ろ向きなのは、人口減少によって国内市場が縮小しており、今後、拡大する見通しが立たないからです。株主からの利益要求が強い欧米企業であれば、海外市場に打って出たり、国内で新規事業を立ち上げ、そこに投資をしていくということになりますが、日本企業にそうした圧力はありません。結果として、現状維持がもっとも合理的な選択肢となるわけです。

政府が求める3%の賃上げ

 政府は設備投資の強化と併せて、3%という大幅な賃上げを求めています。企業側がこれに応じた場合には、家計の所得が増えますから、消費が拡大しGDPも増えることが予想されます。しかし、基本的な経済構造が変わらない中で賃上げだけを実施した場合、企業はそれによって失った利益を確保するため、商品を値上げすることになります。結果として物価が上昇するだけで、実質的な成長には寄与しない可能性が高いでしょう。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2016/2/18(木) 4:09
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