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老後の面倒は誰が見る?(上) 日本の介護制度は在宅が大前提

2015/11/18(水) 7:00配信

THE PAGE

 高齢化が進むにつれて、以前は先の話と思われていた介護の問題がいよいよ現実のものとなってきました。最近は、親の介護を理由に仕事を離れる人の話をよく聞くようになっています。安倍政権では、このような介護離職をゼロにするという政策を掲げましたが、実現は不可能という声も聞かれます。今の日本の介護制度は果たしてどうなっているのでしょうか。また、私たちの老後は誰が面倒を見るのでしょうか。

日本の介護制度は、在宅介護が基本

 安倍首相の介護離職ゼロという目標は、介護関係者にちょっとした驚きを持って受け止められました。これはどういうことかというと、日本の介護制度は、介護が必要な老人の面倒は、基本的に家族がみることが大前提だからです。つまり安倍首相の発言は、これまでの日本における介護政策とは正反対の内容だったのです。

 日本の介護制度は、在宅介護を基本としており、それが実施できない人だけが介護施設に入るという仕組みになっています。世の中には様々な介護施設がありますが、寝たきりの状態となり、最終的な寿命をまっとうする段階までケアしてもらえる施設は、事実上、特別養護老人ホーム(特養)しかありません。

特養の入所には極めて厳しい条件

 しかし特養の数は極めて少なく、しかも入所には厳しい条件が設定されています。最新の基準では、要介護3以上の認定が必要となりますが、要介護3ということになると、立ち上がることや歩くことなど、身の回りのことができない状態であり、排泄、食事、入浴など、すべてにおいて介助が必要なレベルです。つまり、家族が介護することが現実的に難しいというレベルにならないと、原則として特養には入れないわけです。

 現在、都市部を中心に50万人以上の老人が特養への入居を待っている状態であり、潜在的には数百万人の待機老人がいるともいわれています。特養に入れるまでは、ヘルパーなどの支援があるとはいえ、基本的に家族が介護するということになりますから、片手間ではとても対応できません。遠隔地などに住んでいる場合は、ほぼ不可能と考えてよいでしょう。結果として介護のために離職することが大前提ということになってしまいます。

 これが介護離職の現実であり、日本では年間約10万人が家族の介護を理由に、離職しているといわれています。この数は、高齢化が進展しているのでさらに増えることになるでしょう。また、一度離職してしまうと、日本の場合、同じ条件での再就職は極めて難しくなりますから、介護が終わった後のことも考えなければなりません。(中に続く(http://thepage.jp/detail/20151117-00000004-wordleaf))

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2016/1/26(火) 3:55
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