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物価は安いのか高いのか(上) モノの値段が混乱している理由

2015/11/21(土) 8:00配信

THE PAGE

 最近、モノの値段が少々混乱気味となっています。安倍政権ではデフレ脱却を掲げ、日銀はこれに呼応して2%の物価目標を設定しましたが、最近の消費者物価指数はむしろマイナスとなっています。

 一方で、生活用品を中心にこのところ値上げが相次いでおり、私たちの生活は年々苦しくなっているという実感があります。自動車の価格も上昇しており、軽自動車が200万円近くになるケースも見受けられます。また最近では、スマホの料金が高すぎるとして、政府は携帯電話事業者に対してサービス料金を下げるよう強く要請しました。客観的に見て、日本の携帯電話料金が諸外国より高いというわけではないのですが、私たち利用者にとってはなぜか高く感じます。日本は物価が高いのでしょうか、それとも安いのでしょうか。また携帯電話の料金が高く感じるのはどうしてなのでしょうか。

 モノの値段が高いのか安いのかを考える時には、いくつかのポイントがあります。一つは個別の商品の値段が上がっているのか、それとも全体を平均した値段が上がっているのかという、個別と平均の問題。もうひとつは、私たちの購買力(つまり賃金)がどう推移しているのかという問題です。

 ニュースなどで物価が上がった、下がったといっているのは、一般的に消費者物価指数のことを指しています。これは総務省が毎月、特定の商品について値段を調べ、それを指数にしたものです。商品の中には値上がりしたものと、値下がりしたものがありますが、指数はこれらを平均した結果として算出されます。私たちにとって身近な商品が値上がりしていても、そうでない商品が値下がりしていた場合には、全体として物価が上がっていないという結果になることはよくあります。特に今の日本はそういった傾向が顕著です。

 私たちの稼ぎがどの程度なのかも物価の感覚に大きく影響します。物価が上がっても、給料がそれ以上に上がれば、昨年よりもたくさんのモノを買うことができますから、私たちはあまり物価の上昇を意識しなくて済みます。しかし、物価が上がったにもかかわらず、給料が同じままで推移してしまうと、買えるモノの量は減ってしまいます。物価が上がっているわけではないのですが、私たちにとっては高く感じてしまうでしょう。

 モノの値段を判断する時には、このあたりを混同しないように注意する必要があります。では次回からはもっと具体的にモノの値段を考えてみましょう。(中に続く)

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2015/12/22(火) 2:33
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