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物価は安いのか高いのか(中)円安と石油価格の影響はどれくらい?

2015/11/28(土) 15:00配信

THE PAGE

 前回は、モノの値段に対しては、全体なのか個別なのかという違い、給料が上がっているのか下がっているのかという違いが大きく影響するという話をしました。今回はもう少し具体的にモノの値段全般について考えてみます。

【連載】物価は安いのか高いのか

エネルギー価格下落で、物価はマイナス

 日本全体で考えると、モノの値段はあまり上がっていません。総務省が発表した9月の消費者物価指数は、代表的な指数である「生鮮食品を除く総合(コア指数)」が前年同月比でマイナス0.1%となり、2カ月連続の下落となりました。つまり物価全体はマイナスに転じているわけです。

 しかしこの指数には、ガソリンなどのエネルギー価格が含まれています。原油価格はこのところ大幅に低下していますから、これが指数全体を引き下げました。一方、エネルギー価格を除外した指数(食料及びエネルギーを除く総合)はプラス0.9%と上げ幅を拡大しています。エネルギー以外のモノの値段はむしろ上昇しているようです。

一斉に値上がりしたのは円安の影響

 実際、4月以降、カップラーメン、文具、トイレットペーパーなど、身の回りにある様々な製品が値上げの対象となり、私たちの生活を直撃しました。また菓子類などは、昨年の段階から同じ値段で内容量を減らすといった事実上の値上げが行われています。生活実感としてはモノの値段が上がったと考える人は多いでしょう。

 これらの商品が一斉に値上がりしたのは円安による影響です。身の回りの製品は原材料や製品そのものを輸入していることが多く、為替の影響を大きく受けます。量的緩和策によって円安が進んだことで、仕入れコストが上昇しているのです。

サービス価格も上昇している

 これに加えて最近ではサービス価格も上昇を始めています。サービス価格は、以前は、物価の上昇に比べて伸び率が低かったのですが、最近は人手不足を反映して、上昇基調を強めています。また宿泊サービスなど、インバウンド(外国人観光客がやってきて消費すること)の恩恵を受ける業界では、軒並み値上げを実施しました。東京のビジネスホテルの値上がりは特に激しく、地方から出張する人を困らせています。

 こうした状況を整理すると、日本全体としては、徐々にですが物価が上がり始めていると考えてよいでしょう。日銀の量的緩和策は効果がないといわれてきましたが、状況は変わりつつあります。もし原油価格が上昇に転じることになった場合、物価は一気に跳ね上がるかもしれません。(下に続く)

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2015/12/29(火) 2:39
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