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なぜ日本だけが中国景気失速の影響を受けてしまうのか

2015/11/30(月) 7:00配信

THE PAGE

 日本のGDP(国内総生産)が2四半期連続のマイナスとなったことで、景気後退が懸念されるようになってきました。中国景気の影響をモロに受けた格好ですが、米国や欧州はほとんどといってよいほど中国の影響を受けていません。かつて日本経済は「米国がくしゃみをするとカゼを引く」と言われましたが、最近では「中国がカゼを引くと日本もカゼを引く」状況になっているようです。

目立つ日本の景気の悪さ、欧米は内需中心型

 日本の7~9月期の実質GDP成長率は年率換算でマイナス0.8%と、2四半期連続のマイナス成長となりました。個人消費はまずまずの水準だったのですが、企業の設備投資が伸び悩み、輸出もあまり増加しませんでした。同じ期間、米国の成長率はプラス2.1%、欧州の成長率はプラス1.2%だったことを考えると日本の景気の悪さが目立ちます。

 日本企業の設備投資に対する消極姿勢は、今に始まったことではありません。しかし、成長率が2四半期連続のマイナスとなった最大の原因は、やはり中国の景気失速にあるとみてよいでしょう。

 中国は規模でこそ世界第2位の経済大国となりましたが、1人あたりのGDPは日本の5分の1であり、経済構造は依然として途上国型です。つまり原材料や部品を輸入し、最終製品の組み立てを行って、それを先進国に輸出するという仕組みです。

 中国が生産する工業製品の多くは、米国に向かいます。つまり米国が世界経済における最終需要地となっているわけです(欧州もそれに準じるとみてよいでしょう)。米国経済は内需中心型となっており、自国民による消費で経済を成り立たせていますから、中国はモノを買うだけの相手にしか過ぎません。多くの米国人にとって、中国の景気失速は自身の生活とは無関係の出来事です。

日本が選択した製造業を残すという道

 ところが日本の場合そうはいかない事情があります。今の日本人は基本的に保守的ですから、経済構造の転換を望みません。かつては内需中心型経済に転換しようという動きも見られましたが、最終的に日本が選択したのは、従来型の製造業をそのまま残すという道でした。

 そうなってくると、工業製品を中国や米国に輸出し、そのための設備投資で内需をカバーするという従来の図式が続くことになります。米国向けの輸出は好調ですが、中国の景気が失速してしまうと、中国国内向けの製品の輸出は伸び悩み、設備投資も萎んでしまいます。

 日本はGDPの6割が個人消費となっており、内需型経済への転換はそれほど難しくないと考えられます。しかし、それを実現するためには、企業のビジネスモデルを抜本的に転換しなければなりません。経済構造が変わらない以上、中国経済に依存する状況は当分の間、続くことになります。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2016/1/31(日) 4:14
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