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日本が是が非でも男女平等を実現しなければならない理由

2015/11/30(月) 17:52配信

THE PAGE

 ダボス会議で有名な世界経済フォーラムは11月19日、2015年における世界男女平等ランキングの結果を発表しました。日本は145カ国中101位となり、前回からわずかに順位を上げたものの、依然としてかなりの低ランクです。安倍政権は女性の社会進出を成長戦略として掲げているのですが、現実とのギャップはなかなか縮まりません。

 この世界男女平等ランキングは、職場の女性進出、教育、健康、政治の各分野において、男女平等がどれほど進んでいるのか評価し、総合ランキングとして集計したものです。日本のランキングは毎年極めて低く、100位以下という状況が続いています。100位近辺にはインドや韓国など男女差別が極めて激しい国が並んでいますから、基本的に日本も同じような国と認識されていることになります。

 日本において男女平等は、文化やモラルの問題として捉えられており、「男性の意識改革が必要」「女性の側もあまり社会参加を望んでいない」といったやり取りが行われてきました。しかし、今の日本にはこうした文化的な議論を続けている余裕がなくなりつつあります。急速な高齢化の進展によって、労働力人口が激減しており、経済全体に供給制限がかかっているからです。べき論以前に、家庭に入っている女性が労働市場に出てこなければ、人手不足によって経済がさらにマイナスになる可能性が高まっているのです。

 女性の労働市場への参加を妨げている原因のひとつは、やはり職場における男女の賃金格差でしょう。「ウチの会社では男性も女性も同じ条件で働いている」という声が聞こえてきそうですが、賃金の男女格差の問題はもう少し複雑です。男女の賃金格差問題の背景には、非正規社員と正社員の賃金格差問題が大きく関係しているからです。

 厚生労働省が発表した2014年の就業形態調査では、パートや派遣など非正規社員の割合が初めて4割を超えました。経済界が2度にわたって賃上げを行っているにもかかわらず、労働者の実質賃金が上昇しないのは、非正規社員の賃金が圧倒的に安いことが原因です。男性の非正規社員の割合は20%程度ですが、女性は50%超とかなり高くなっており、これが女性の賃金を大幅に引き下げています。

 こうした状況から、男女平等ランキングにおける女性の職場進出の項目では、日本の順位はさらに下がっています。硬直化した労働市場という根本的な問題に対処しなければ、男女平等のみならず、あらゆる問題について解決することがより困難となるでしょう。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2016/1/31(日) 4:05
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