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迷走する携帯電話料金の引き下げ議論、料金は本当に下がるのか?

2015/12/7(月) 13:17配信

THE PAGE

 携帯電話料金の見直しに関する議論が迷走しています。当初は料金が高いので政府主導で是正させるという動きでしたが、議論は二転三転し、最近では料金体系の分かりにくさに焦点が当たっています。携帯電話料金の引き下げ問題はどうなってしまうのでしょうか。

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国際比較ではむしろ安い部類に

 この議論の発端となったのは、経済財政諮問会議における安倍首相の発言です。安倍氏は家計における通信費負担が増加しているとして、軽減策について検討するよう突如指示しました。これを受けて総務省が有識者会議を開催、具体策についての検討を進めてきたわけです。

 しかし、料金の見直しに関する議論は迷走を重ねています。当初は価格が高いという批判から議論が始まりましたが、現実問題として日本の携帯電話料金は各国と比較してそれほど高いわけではありません。例えばスマホを1カ月あたり音声36分、メール129通、データ5Gバイト利用するという条件で各国の料金を比較すると、日本(東京)は8642円ですが、米国(ニューヨーク)は1万4096円、ドイツ(デュッセルドルフ)は1万3052円、英国(ロンドン)は8323円と、日本はむしろ安い部類に入ります。

 ただ日本はここ20年の間に、かなり貧しくなってきており、先進各国との相対的な比較ではGDP(国内総生産)が3分の2に減少しています。米国では大卒の初任給が40万円を超えることも珍しくありませんから、日本人にとって携帯電話料金が高く感じてしまうのは、やむを得ないことなのかもしれません。また、日本の携帯電話サービスは利用者の選択肢が少なく使い勝手がよくありません。所得の問題に加えて、こうした使い勝手の悪さがサービスに対する印象を悪化させている可能性は高いでしょう。

安倍首相は料金引き下げに興味を失った?

 総務省が開催した有識者会議でもこの点が指摘され、議論の方向性は「高い料金を是正する」というものから「利用者の不公平感をなくす」あるいは「料金の分かりにくさをなくす」という話にシフトしています。

 料金問題を担当する高市早苗総務大臣は、当初、携帯電話事業者が料金引き下げに応じない場合「法的措置もあり得る」というかなり強硬な発言を行っていましたが、最近では状況が変化しています。一部では、安倍首相は料金引き下げをブチあげたものの、すでにこの件については興味を失っており、高市氏はハシゴをはずされた状態になっているとの報道もあります。

 最終的には、過度な販売奨励金を廃止するための指針を発表するという程度の内容に終わりそうだとの声も出ているようです。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2016/1/7(木) 2:33
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