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動き出したシェアリングエコノミー(上)民泊解禁ですべての分野に影響も

2015/12/12(土) 7:00配信

THE PAGE

 空き部屋を宿泊施設として外国人観光客などに貸し出す「民泊」が本格的に始まろうとしています。ネットを使って人やモノ、サービスを共有する仕組みのことをシェアリング・エコノミーと呼びますが、民泊はシェアリング・エコノミーのごく一部に過ぎません。今後はあらゆる分野にこの動きが広がっていくことになるでしょう。

 東京都の大田区議会は7日、議会に提出されていた民泊を一定の条件で認めるための条例案を可決しました。これによって早ければ2016年1月から、全国に先駆けて民泊を許可する見通しです。

 昨年まで民泊は、一部の利用者だけが知るごく限られたサービスでした。しかし、世界最大の民泊仲介サイトであるAirbnbが日本に進出してからは状況が大きく変わり、現在では2万件以上の物件が登録されています。Airbnbはネットに空き部屋を登録すると、その部屋を利用したい人を仲介してくれるというサービスです。欧米ではホテルなどには泊まらず、こうした仲介サイトで空き部屋を見つけて旅行する人も多く、かなりメジャーな存在になっています。また自分がバカンスで部屋を空ける際には、逆に部屋を他人に貸し出し、お小遣いを稼ぐ人もいます。

 今のところ外国人旅行客の利用が多いですから、東京や大阪といった大都市ではかなりの単価で部屋を貸し出すことができます。中には、Airbnbを使って部屋を提供することを目的に投資用マンションを購入し、月ごとに賃貸するよりも高い利回りを実現している人や、家族総出で民宿のようなサービスを提供し、事実上、これをビジネスにしてしまっている人も増えています。

 実は、継続的にお金を取って他人を宿泊させるという行為は、旅館業法に違反します。また貸し出しが長期にわたった場合には、今度は不動産業法との兼ね合いという問題も出てくるでしょう。昨年まではごく限定的なサービスでしたので、ほとんど問題にはなりませんでしたが、多くの人が、Airbnbで部屋を貸し出すようになり、社会的にも認知度が上がってきた結果、民泊の是非をめぐって激しい議論となりました。

 日本は東京オリンピックを控え、宿泊施設の絶対数が足りないという問題に直面しています。このため政府は規制改革会議において特区に限って民泊の規制を緩和する方針を打ち出し、現状を追認しました。これを受けて、大田区や大阪府などが特区を利用しての民泊に舵を切りました。

 Airbnbは空き部屋の仲介ですが、これほどまでにスマホが普及した今、ありとあらゆるモノやサービスがネット仲介の対象になろうとしています。これはすべての分野に影響が及ぶと考えてよいでしょう。(中に続く)

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2016/2/15(月) 3:25
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