ここから本文です

COP21パリ協定、何が画期的な成果なのか?

2015/12/15(火) 9:49配信

THE PAGE

 パリで開かれていた地球温暖化対策の国連会議COP21は12日、パリ協定を採択して閉幕しました。今回の協定は、先進国だけでなく、途上国も参加する初めての枠組みとなります。とりあえず各国は画期的な成果だと自らを評価していますが、それは本当なのでしょうか。

 パリ協定では、気温上昇を産業革命前に比べて、2度より低く抑えるという具体的な数値目標が明記されました。さらに1.5度未満に抑えるために努力することも示されていますし、参加するすべての国が協定にサインしています。具体的な気温上昇の目標値が設定されたことや、すべての国が協定に参加するという枠組みを初めて構築したという点では、画期的な成果といえるかもしれません。しかし、実際に効果があるのかはまた別問題でしょう。

 肝心の各国における排出量削減の目標値は、すべて自主的に設定する形となっています。気温上昇の目標値こそ提示されましたが、これを実現するための具体策については各国任せという状況です。

 このような形に落ち着いたのは、新興国と先進国の隔たりがあまりにも大きかったことが原因です。新興国にしてみれば、温室効果ガスが増えたのは、これまでの先進国の無尽蔵なエネルギー消費が原因であり、今になって同じような削減目標を義務付けられるのは不公平だと考えています。特に中国やインドなどは高度成長の真っ最中であり、厳しい目標を設定してしまうと、経済成長が抑制されるリスクがあります。一方、先進国側は排出量の約3割が中国とインドで占められていることから、新興国側の努力も必要というスタンスを崩しませんでした。

 従来の地球温暖化対策は、先進国だけに温室効果ガスの削減を義務付けるという考え方なのですが、実際のところうまく機能していません。COPというのは、1992年の地球サミットで採択された「気候変動枠組条約」に基づいて開かれる国際会議のことを指しますが、97年に京都で開催されたCOP3では、具体的な温室効果ガス排出削減目標を示した「京都議定書」が採択されました。しかし、途上国に削減目標がないことについて米国が反発し、結局、米国はこの枠組みから離脱してしまいます。日本は京都議定書を主導したにもかかわらず、目標を達成することが不可能となり、米国に続いて事実上の離脱となってしまいました。

 このため、COP21では、すべての国が参加できるよう、各国が自主的に削減目標を設定するという柔軟な形式が採用されています。まずは各国が一つの枠組みに参加できることを最優先したわけです。

 今回の協定は始まりに過ぎませんから、削減目標や途上国に対する援助など、具体的な内容をめぐる駆け引きはこれから本格化することになります。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2016/2/15(月) 2:57
THE PAGE