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軽減税率与党合意、低所得者対策としての効果はあるのか?

2015/12/17(木) 7:00配信

THE PAGE

 消費税10%への引き上げに伴って導入が検討されている軽減税率について、自民・公明の両党は最終合意に達しました。低所得者対策として浮上した軽減税率ですが、果たして効果はあるのでしょうか。

 軽減税率は、一部の品目に限って消費税の税率を引き下げる措置です。生活必需品などを軽減税率の対象とすることによって、低所得者の消費税負担を減らそうという狙いです。与党内では主に公明党が軽減税率の導入を強く主張していましたが、税収減への懸念から財政当局が難色を示しているほか、中小零細企業が事務作業に対応できないといった課題を指摘する声が出ており、与党内で調整が進められていました。

 最終的には、対象品目について「外食」を除いた「生鮮食品」と「加工食品」とする形で軽減税率の導入が決定しました。しかし、軽減税率の導入によって失われてしまう税収1兆円について、代替の財源をどうするのか見通しは立っていません。

 当初から軽減税率には、本当に低所得者対策になるのか不透明だとの意見もありました。外食まで含めてしまうと、高級店に来店する富裕層にも恩恵が及んでしまい、かえって格差を拡大させてしまう可能性があります。一方、低所得者層は、家で調理する割合が少ない可能性もあり、どこまでを軽減税率の対象とするのかは容易に決められません。さらに言えば、同じ外食でも店内で飲食せず持ち帰った場合の扱いや、店舗での飲食(いわゆるイートイン)をどうするのかなど細かい部分をあげればキリがありません。とりあえずは、おおざっぱに加工食品までを対象とすることで落ち着きましたが、効果の程は実際に導入してみなければなんともいえないでしょう。

 今のところ消費税が10%に引き上げられる2017年4月に導入される可能性が高いですが、そうなると、各店舗は品目別にバラバラの税率を設定しなければなりません。事業者が納める消費税額を正確に把握するためには、税率や税額を記載した公式の請求書(インボイス)を発行する必要があります。これについては2021年をメドに導入を検討することになりました。

 とりあえずは1兆円の財源をどう確保するのかが最大の課題となりそうです。国債を発行するということになると、政府が掲げる財政再建目標がさらに遠のくことになります。一方で別の税率を上げるとなると、反対の声が出てくることは必至でしょう。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2016/2/17(水) 3:54
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