ここから本文です

冬の夜空を幻想的に彩る「スカイランタン」鎮魂の祈り込め打ち上げ

2015/12/21(月) 9:38配信

THE PAGE

今年1月に宮城県栗原市で開催されたスカイランタンの打ち上げのようす(主催者提供)

 東日本大震災で亡くなった親友のメッセージを、海の向こうにいるひとりの人に伝えたい。その想いから始まったスカイランタンを上げるイベントが、来年1月で3回目の開催を迎える。復興への祈りとして始まったこのイベントは、地域のまちおこしや参加者同士のつながりを生む役割も担い始めている。

 イベントを企画・立案しているのは、宮城県栗原市の高橋将(すすむ)さん(31)を中心に発足した「あかりプロジェクト」。2013年、高橋さんは親友を震災で失った一人の女性と知り合った。彼女は震災後、亡くなった親友の想いを伝えるため、アメリカにいた親友の恋人を探しに渡米したが、相手は見つからず失意のうちに帰国したという。彼女の行動を聞いた高橋さんは「何か、しなくては」と思い立った。

 高橋さんが、東日本大震災の犠牲者への鎮魂の祈りを込めて企画したのが、「スカイランタン」。参加者それぞれの想いを書いたランタンに火を灯し、夜空に打ち上げる幻想的な追悼行事だ。高橋さんらは2014年3月、宮城県七ケ浜町で初めてスカイランタンを打ち上げた。女性の親友「あかりさん」の想いがいつか海の向こうへ届くように、との願いを込めた。

 今年1月3日に栗原市の未使用の水田地帯を利用して開催された2回目の打ち上げイベントには、約1500人が参加。年末年始で地元へ帰省した人や、このイベントに参加するために関東から駆けつけた人もいた。打ち上げ当日には、鎮魂や未来への祈りが書き添えられた参加者たちのスカイランタンが、夜空を彩る。スカイランタンは打ち上げの翌日、プロジェクトのメンバーが一つ一つ回収し、旧正月にお飾りを焚き上げる「どんと祭」で空へ還す。

 栗原市は2008年の岩手宮城内陸地震で震度6強、東日本大震災では震度7を記録した地域。度重なる地震は、地域の商店街や観光事業にも影響を及ぼしてきた。高橋さんは「震災で断たれてしまったことが、たくさんあるのは事実。それを受け止めた上で、震災があったから生まれたつながり、未来を大切にしていきたい」と、イベント開催の意義を話す。

 3回目となるスカイランタンの打ち上げは、来年1月2日(土)に栗原市のJA栗っこ栗駒カントリーエレベーター東で、午後5時から実施される。スカイランタンの打ち上げに参加する場合は、「あかりプロジェクト」のHP(http://akari-project.com)から事前に申し込みが必要。

(若柳誉美/THE EAST TIMES)

最終更新:2016/3/2(水) 16:56
THE PAGE