ここから本文です

2016年世界経済、日本への影響は? 原油と金利の動きに注目

2016/1/4(月) 7:00配信

THE PAGE

 2016年における景気動向のポイントとなるのは、やはり原油安と米国の利上げの影響でしょう。日本経済は基本的に米国経済の影響を大きく受けてしまいますから、原油と金利の動向には注意が必要です。

 OPEC(石油輸出国機構)が原油の減産を見送る決定を行いましたから、原油価格は当分の間、安値で推移することが確実となりました。原油価格低迷の影響は、国によって大きく異なりますし、どの程度の期間を基準とするのかでも変わってきます。

 安い原油価格は、石油を大量に消費する先進国にとってはプラスの効果をもたらします。ガソリンなどのエネルギー価格が安くなれば、国民の可処分所得が増え、他の分野に消費が波及しますから、GDP(国内総生産)は上向きます。企業もコストが安くなるので、利益を確保しやすくなります。

 一方、石油の販売収入に頼る産油国にとっては大きな打撃です。サウジアラビアは圧倒的に採掘コストが安く体力勝負が可能ですが、ロシアなど採掘コストが高い産油国にとっては大打撃です。実際、ロシア経済はボロボロの状態であり、急激な勢いで資金が国外に流出しています。

 産油国から資金が急激に流出することで、国際的な金融市場には動揺が走ることになります。原油価格の急落によって市場が混乱するのは、こういった理由からです。このところ市場が不安定なのは、原油安に伴って、世界的な投資資金が移動していることが原因と考えてよいでしょう。

 しかし長期的に見れば、先進国経済の活性化によって、世界経済は一定の落ち着きを取り戻すことになります。したがって原油価格の低下が、長期にわたって金融市場を不安定化させ続ける可能性は低いと考えられます。

 気をつけなければならないのは、米国は世界最大の石油消費国であると同時に、世界最大の産油国でもあるという点です。消費国としてみれば、原油安は大歓迎ですが、産油国としては景気低迷の要因となります。米国経済は両者の綱引きとなる可能性が高いですから、景気は行ったり来たりということになるかもしれません。少なくとも、原油安で絶好調というシナリオは描きにくいでしょう。

 そうなってくると、米国はそれほど景気の過熱を心配する必要がなくなりますから、利上げのペースも穏やかになります。それに伴って円安のペースも鈍化しますから、日本企業の業績拡大は限定的な水準にとどまりそうです。日銀が追加緩和を積極的に行えば話は別ですが、株価の上昇もそれほど期待できないかもしれません。


(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2016/2/4(木) 2:35
THE PAGE