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2016年度予算の審議始まる。日本の財政が危ないのはホント? ウソ?

2016/1/8(金) 10:00配信

THE PAGE

 国会が招集され、2016年度予算の審議が始まります。麻生財務大臣は2016年度予算案について「財政再建の初年度にふさわしい予算になった」と述べていますが、市場では再び、日本の財政問題に注目が集まっています。日本の財政は本当のところ、どのくらい危険なのでしょうか。

財政当局は危険水準にあるという認識

 日本の財政が危ないという話は以前から指摘されていますが、一方で大した問題ではないとの意見もあります。財務省など政府の財政当局は、基本的に日本の財政は危険水準にあるとの立場です。

 2016年度予算(一般会計)の総額は4年連続で過去最高を更新しましたが、税収が伸びたことで新規の国債発行額は抑制され、国債依存度は2008年度以来の低水準となりました。麻生氏が述べたように2016年度予算は財政再建をかなり意識した内容といえるでしょう。

 しかし、政府が掲げる財政再建目標を実現するためには、さらに高いハードルが待ち受けています。政府は2020年に基礎的財政収支(プライマリーバランス)を黒字化するという目標を掲げていますが、今のペースではその目標を達成するのは困難です。その理由は、年金や医療といった社会保障費の自然増が大きく、裁量的な項目の削減だけでは、歳出抑制に限度があるからです。

 高齢者の発言力が強いという現在の政治情勢においては、年金や医療費の大幅抑制は決断しにくいでしょう。政府が掲げる財政再建目標を実現するためには、景気を持続的に拡大させ、さらに税収を増やす必要がありそうです。

1100兆円の負債に対し600兆円の資産

 一方、こうした財政当局の立場とは逆に、今の日本の財政状況はそれほど悪くないとの見解もあります。日本政府は1100兆円を超える負債を抱えていますが、600兆円程度の資産も保有しており、これを相殺すると債務比率が大幅に減少するという考え方です。確かに保有資産を流動性の高い資産(現金など)に換金できれば、財政問題は一気に解消することになります。

 ただ、政府が持つ資産の中には、換金不能なものが多く含まれていますし、換金できるものについても、政府機関(政府系金融機関や独立行政法人など)の民営化や資産の市場売却といった措置が必要となってくるでしょう。政府機関の民営化や市場売却は、小泉政権の構造改革において検討されましたが、国民からの激しい反発で頓挫したという経緯があります。年金の減額と同様、現在の政治情勢において実現はかなり困難と考えた方が自然です。

 日本がハイパーインフレになることを本気で心配している市場関係者はほとんどいませんが、金利の急騰リスクは強く意識されています。もし金利が数%台に急騰してしまうと、最悪の場合、利払いだけで税収をオーバーする可能性があるからです。

 結局のところ、量的緩和策の継続で金利を低い水準に維持できるのか、また、景気を持続的に拡大させ、税収を増やすことができるのかにかかっているようです。


(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2016/2/8(月) 2:30
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