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日本でも中古住宅の売買を 2018年の制度施行目指す

2016/1/15(金) 11:22配信

THE PAGE

 国土交通省が、中古住宅を安心して売買できるようにするための制度作りを進めています。日本は住宅市場のほとんどを新築が占めるという特殊な市場として知られていますが、人口減少時代を迎え、中古住宅の流通が少ないことの弊害も目立つようになってきました。

 同省が検討しているのは、中古住宅を安心して売買できるよう、専門家が家屋の傷み具合を調べる住宅診断を促すための制度です。売買の仲介契約時に、住宅診断を行うかどうかを売り主や買い主に確認するよう不動産仲介業者に義務付ける内容で、報道によると、今国会に法案を提出し2018年の施行を目指すとのことです。

 日本は住宅取引において中古が占める割合はわずか1割ですが、米国では9割が中古住宅となっています。日本では圧倒的に新築住宅に対する消費者のニーズが強いことに加え、新築住宅の建設が活発になれば、GDPを拡大させる効果があるため、住宅政策のほとんどが新築住宅の建設促進に向けられていました。しかし、日本が成熟国家になるにつれて、こうした新築偏重には弊害も出てきています。

 新築偏重の市場では住宅の平均的な寿命は短くなり、新しい住宅を作って、古い住宅は壊すという流れになります。国民が住宅に支出する金額は相対的に大きくなりますから、経済成長が最優先であった途上国の時代にはこれが有効に作用しました。しかし成熟国家において住宅への過剰な支出が続くと、他の消費を圧迫し、国民は生活の豊かさを感じることができません。すでにある住宅ストックを有効活用し、長期間にわたって使用する方が、経済的メリットが大きい時代に入っているのです。

 中古住宅の流通が少ない原因のひとつとして考えられるのが、住宅の質に対する消費者の不安だといわれています。日本の住宅の中には質が悪く、中古で購入しても、長期間使用できないものが少なくありません。しっかりとした診断精度が根付けば、いわゆるダメ物件を掴むリスクを減らすことができますから、消費者の不安も解消されます。

 米国では極めて厳しい住宅の診断制度が整備されているほか、住宅の管理状況について常に自治体から厳しいチェックが入ります。米国は徹底した自由放任主義の国というイメージがありますが、住宅に関してはまったく逆で、行政の介入は相当なものです。これが中古住宅の質の担保につながっており、築100年の住宅も資産価値が落ちず、当たり前のように売買されています。

 住宅の質が長期間にわたって保持されれば、その家を担保に老後資金の融資を受けるといった柔軟な対応も可能となるでしょう(リバースモーゲージ)。中古住宅の流通促進は「老い」の問題に対してもひとつの解決策となるかもしれません。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2016/2/15(月) 2:32
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