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愛知のNPO 小中学生へトランスジェンダー理解呼びかけ

2016/1/18(月) 11:23配信

THE PAGE

 自身の体は女性だが心の中では女性であることに違和感があるなど、心と体の性が異なるトランスジェンダー(TG)について、愛知県日進市に拠点を置くNPO法人「椿(つばき)・ソーシャルアイデンティティサポート」はこのほど、小中学生向けのTG説明リーフレットを作成した。同市の市民提案型事業の一環。同市内の小学5年生から中学3年生までの計約4400人に、学校を通じて配布した。教育現場でTGの理解を呼びかける資料が配布されるのは県内初で、全国的に見ても珍しい。

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トランスジェンダーも個性の一つ

 リーフレットは「人権を学ぼう!個性としてのトランスジェンダー」で、A4判三つ折り両面カラー。「個性は顔かたち、考え方がそれぞれ違うように、ひとりひとりが持っている『その人らしさ』のようなもの」「身体の性と心の性がいっしょにならないトランスジェンダーも個性の一つ」―などと簡単な表現で説明。心にも性別があり、それを一つの個性として認め合う大切さを伝えている。

 作成は、同NPOが事務所を置くカフェで、ほぼ毎週の水曜夜に開く交流の場「いちばん星の図書室」で内容を議論。参加メンバーで自身もTGという三谷恵さん(25)が中心となって進めた。

 交流の場は、TGや不登校、精神疾患などで生きづらさを感じる人や、その現状を知ったりサポートしたりしたいと考える人たちが自由参加。さまざまな問題について議論し、相互理解を深めている。リーフレットの企画も、三谷さんが交流の場で実体験を明かしたことがきっかけで形になった。

一人で抱え込まずに、相談して欲しい

 三谷さんは、自身の体つきの変化が顕著になった高校1年生の頃、体が女性ということに違和感を抱くようになった。以前からプライベートでは男性向きの衣服を身につける事が多く「男性に間違えられることもあったが、男性と見られて良い。間違えられてうれしいと感じることもあった」という。

 親や友人にTGであることを明かしたのは1年ほど前。これまでの関係性が崩れるかもと言わずにいたが、明かした後の周囲の反応は予想外だった。「『あっそうなんだ』っていう軽い反応で、伝える前と後で比べてもつきあい方に変化はない。今思えば早く言えば良かった」と笑う。

 ただTGにも個人差があり、一人で悩み込んでしまう人やその保護者が対処に苦慮することも少なくないという。三谷さんは「(TGの人が)こうしたら楽に暮らせるという万能な方法はない」と指摘。「やりたい仕事をするというように、当事者はTGと自覚して、自己決定と自己責任で生きる道を進むことが大切。周りの人はTGを個性と認識して欲しい」と説く。

 悩む子どもたちには「一人で抱え込まずに、相談して欲しい。身近に同じTGの人がいると知るだけでも安心できるはず」と、自身の存在を広く知らせるとともに、要望があればTGの子どもたちと交流を図る考えを示した。

今後は具体的な活動につなげていきたい

 同NPO代表の真柄文子さん(50)は「心や体が変わる小学5年生以上の子どもたちに、TGについてのメッセージを届けるというミッションはできた」と話す。

 また「(TGについて)勉強中だが、今後は具体的な活動につなげていきたい」と意欲もみせていた。
(斉藤理/MOTIVA)

最終更新:2016/1/18(月) 11:23
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