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第154回 芥川賞受賞者・滝口悠生氏の記者会見(全文)

2016/1/20(水) 17:37配信

THE PAGE

 日本文学振興会は19日夜、第154回芥川賞・直木賞の受賞作を発表した。
芥川賞は、滝口悠生『死んでいない者』、本谷有希子『異類婚姻譚(いるいこんいんたん)』の2作が受賞し、直木賞は青山文平『つまをめとらば』が受賞した。

【中継録画】第154回 芥川賞・直木賞 受賞者3人の会見

 受賞者の3人はによる者会見の模様をTHE PAGEで生中継した。

賞を取れたこと、やばいと思っている

司会:それではまず初めに、芥川賞を受賞されました滝口悠生さんから会見を開かせていただきます。滝口さん、どうぞ。
 滝口さん、まず最初にいまのご感想をお聞かせください。

滝口:はい。たいへん光栄、大きい賞をいただいて光栄に思ってます。今回の作品とこれまで書いてきたものとかを読んでくださった読者の方に感謝を申し上げたいなという気持ちです。

司会:ありがとうございます。それでは、質疑応答に移らせていただきます。質問のある方はどうぞ、挙手をお願いいたします。

日本テレビ:日本テレビ『ZIP!』の尾崎と申します。よろしくお願いします。

滝口:お願いします。

日本テレビ:芥川賞の受賞、おめでとうございます。

滝口:ありがとうございます。

日本テレビ:今の喜びを誰に一番伝えたいですか。

滝口:だいたいもう伝わった。今まで小説を見てきてくださった編集者の方と、今一とおりお会いしてきて、で、良かったねというふうに言っていただいたので、それが一番、こういうふうな形になって、で、そういうふうに言っていただけて良かったなっていうふうに思っています。

日本テレビ:ありがとうございます。

司会:よろしいですか。続いてご質問の方。手を、挙手をお願いいたします。それじゃあ、右の眼鏡の方。

ニコニコ動画:ニコニコのタカハシと申します。ニコニコ動画を今、ご覧になっている方からの質問を代読したいと思います。ニコニコ動画はご存じでしょうか。

滝口:はい。

ニコニコ動画:ありがとうございます。では、東京都40代男性の方からの質問です。滝口さんの作品を読んでいると、年齢とはかなりかけ離れたご趣味、音楽だったり映画だったりというのが出てくるような気がするんですが、そういったものはどこで触れたりするのでしょうか。

滝口:そうですね。モチーフとして少し古い、古いものが多い傾向があるんですけど、そんなに特別なこととは思ってなくて、同時代のものに疎いっていうのはあるんですけど、だいたい何か、小説に限らず何かをつくろうとすると、そういった過去の作品をたどっていくっていうことは、ごく普通の自然なことだと思うので、そういうものにいろいろ感化されて影響を受けて、作品の中にそういうものが取り入れられているっていうことだと思います。そんなに特別なことではない。同時代のものをあんまり積極的に入れてないっていうことなのかもしれないんですけど、どちらかというとそちらに関心が強いのかなと。

ニコニコ動画:すいません、続いて同じ方からなんですけども、今回の作品にも出てくるテレサ・テンさんはお好きなんでしょうか。

滝口:そんなに別に。すごい方っていうか、すごい歌手の人だっていう、ごく一般的な認識程度のことなので、絶対に今回の作品にテレサ・テンのことを、書く前から入れるんだとかっていうことはまったくなく、書いていくうちに出てきたっていう形ですね。

ニコニコ動画:ありがとうございます。

司会:よろしいでしょうか。じゃあ右の奥の眼鏡の方。

読売新聞:読売新聞のウカイです。おめでとうございます。

滝口:ありがとうございます。

読売新聞:滝口さんは、自分が小説を書きながら、これで賞が取れるとやばいと思うと。やっぱ不安じゃないと書けないとおっしゃってるんですが、昨年の野間文芸新人賞に続き、芥川賞、2回連続取ってしまったっていうことに対して、感想として先ほどの感想以外に、やばいとか何か別の感想はないでしょうか。

滝口:やばいとは思っています。やばいと思っているっていうか、賞をいただくっていうことは、なんて言うのかな。作品が賞をいただくっていうことが強くて、書いているときと書き終わったときとはやっぱり作品との距離というか関係っていうのは違って。なので、作品が賞をいただくっていうことは、自分がもう、手を離れたものが別の人に大事に読まれて、で、その結果として賞をいただくっていうことだと思うので、次に自分が書くものと今回の作品がどう読まれたかとか、どう評価されたかってこととは別のこととして、切り離して考えたいというふうに思っています。

読売新聞:それとの関連なんですがちょうど去年、10月いっぱいで会社を辞めて、それこそもう、後ろがない状態でフリーとして書くっていうことにした途端に、2つ連続、野間賞と芥川賞で、ある意味では後ろがないところで勝負出ちゃったら次々来ちゃったという、不思議が、感じは、どんな感じで思ってます?

滝口:たまたまだと思いますけどね(笑)。

読売新聞:最後につまんない質問なんですけども、寅さん好きで、『男はつらいよ』っていうんですけども、今、つらいことってなんかありますか。

滝口:今、つらいこと。いや、そんなにないですね。

読売新聞:うれしいばっかり?

滝口:いや、そういうことでもないですけど。そんなにつらいって思うほどつらいことはない。ないですかね。つらくも、そんなつら過ぎもせず、楽し過ぎもせずっていう毎日を送っています。

司会:よろしいでしょうか。では、真ん中の奥の方。

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最終更新:2016/2/20(土) 2:39
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