ここから本文です

「手術まで受けたのになぜ男扱い?」性別適合手術受けた女性は訴える

2016/1/20(水) 11:08配信

BuzzFeed Japan

「アンタ女やのに、なんでこっち使うねん」

京都府に住む甲野友紀さん(仮名・40代会社経営)は2014年3月、スポーツジムの男性用更衣室で、男性客からこう怒鳴られた。

甲野さんは「男の体で生まれたが、心は女だった」という。そのギャップに苦しんだ末、女性として生きることを決意した。2012年からは女性ホルモンの投与で乳房が膨らみ、女性的な体つきとなっていた。一見して男性だったと気づく人はいない。

そんな甲野さんが、男性用更衣室に入らざるをえなかったのは、ジムのスタッフからの指示があったからだ。

「戸籍は男性なので、男性用更衣室を使ってください」

その後、性別適合手術で男性器を女性器に変えた甲野さんは「もう男性用更衣室は使えない」と配慮を求めた。しかし、ジム側は「戸籍が男性なら、男性用しか使わせない」「訴えてもらって結構」と突っぱねた。

女性としての扱いを求め、裁判へ

甲野さんは2015年12月、ジムを運営するコナミスポーツクラブを相手に、慰謝料などを求める裁判を京都地裁に起こした。提訴が報じられると、ネットでは、厳しい意見も飛び交った。

戸籍を変えられない理由

2004年に施行された「性同一性障害特例法」では、一定の要件を満たせば、戸籍の性別変更が認められる。2014年までに累計5千人以上が性別を変え、ここ数年は年間700~800人程度で推移している。

なぜ性別適合手術まで受けたのに、戸籍を変えないのか。それは甲野さんに結婚20年になる妻と10代の一人娘がいるからだ。特例法では、未成年の子どもがいると、性別変更が認められない。甲野さんは戸籍を変えないのではなく「変えられない」のだ。

幼い頃から女性として生きたいと願ってきたのに、誰にも理解してもらえなかった。中学時代には激しいイジメにもあった。そんな甲野さんが高校生のときに出会ったのが、現在の「妻」だった。

「彼女は男性がちょっと怖いんですよ。そんな彼女にとって、フェミニンなわたしは、接しやすい男の子だったんでしょうね」

甲野さんは当時、男性として暮らしながら、周囲に隠れてスカートを着用して女性として振る舞うこともあった。彼女は、そんな甲野さんをあるがまま受け止めた。一緒にワンピースを買いに行ったり、女性同士の姿で鴨川をデートしたり。

1/3ページ

最終更新:2016/1/20(水) 12:06
BuzzFeed Japan