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11月機械受注統計大幅減、消費者のマインドはすでにデフレに逆戻り?

2016/1/22(金) 7:00配信

THE PAGE

 安倍政権が成立してから3年が経過し、政府としては何とか「デフレ脱却宣言」を出したいところですが、足元の景気はあまり良くありません。最近ではむしろデフレマインドに戻ってしまったかのような雰囲気です。

大幅なプラスというシナリオは考えにくく

 内閣府は14日、11月の機械受注統計を発表しました。主要指標である 「船舶・電力を除く民需」(季節調整済み)は前月比14.4%減と、現在の統計になってから過去3番目の減少となってしまいました。もっとも、今回のマイナスは先月のプラス幅(10.7%増)が大きかったことの反動ではありますが、設備投資が上向いていくというシナリオは描けそうにありません。

 投資だけでなく、消費など他の経済指標も冴えない状況が続いています。家計の実質消費支出は10月が前月比マイナス0.7%、11月はマイナス2.2%と減少傾向が顕著です。生産側の統計には、外国人による爆買需要なども反映されますから消費よりもよい数字が出るはずですが、10月の鉱工業生産指数は前月比プラス1.4%、11月はマイナス1.0%となっており、ほぼ横ばいです。

 消費や投資があまり伸びていないということになると、10~12月期のGDP(国内総生産)もよい数字は期待できないでしょう。日本経済研究センターが13日に発表した民間エコノミストの予想平均値は、前期比プラス0.63%(年率換算)となっており、前回調査(12月)からは大幅に下振れしました。マイナス成長になるのかは現時点では何とも言えませんが、大幅なプラスというシナリオは考えにくくなっています。

デフレを脱却したと言い切れる状況にはない

 世界経済を見渡すと、原油価格の下落が止まらない状況であり、物価が上昇する要因があまり見当たりません。日本では円安が進んだことで輸入物価が上昇していますので、エネルギー価格を除くと、物価の上昇自体は続いています。

 しかし、物価上昇による購買力の低下が続くと、他の商品に回るお金が減ってしまい、一部の商品は値下げに追い込まれる可能性もあります。こうした個別の物価要因を打ち消すためには、日銀の追加緩和が必要という議論になってくるわけですが、今のところ日銀は追加緩和に消極的といわれています。

 年初の会見で甘利経財相は「デフレ脱却宣言ができれば最高だ」との見解を述べていましたが、一方で、デフレ脱却宣言については、消費者物価指数やGDPデフレーターなどから総合的に判断する必要があり、現時点ではまったく決まっていないと話しています。また安倍首相も「完全にデフレを脱却したと言い切れる状況にはない」との見解です。

 実際の物価はゆるやかな上昇が続いていますが、消費者のマインド的には、すでにデフレ時代に逆戻りしているかもしれません。日銀の追加緩和がなかった場合、インフレ率のさらなる低下は避けられないでしょう。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2016/2/22(月) 2:34
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