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原油価格の諸問題(上)冷静に原油市場について理解する

2016/1/25(月) 7:00配信

THE PAGE

 原油価格が下げ止まりません。20日の原油相場は1バレル=26ドル55セントとなり、2003年以来の低水準で取引を終えました。市場ではまだ下がるという観測も根強く、原油価格の下落が経済全体に悪影響を及ぼすとの懸念も高まっています。

冷静に原油市場について理解する

 しかし、原油価格がどのようにして決まり、それが経済にどう影響を与えるのかについては、実はよく知られていません。「原油価格が下がったから大変だ」という声が大きいので、不安心理が先行している状況ですが、このような時こそ、冷静に原油市場について理解する必要があるでしょう。

 原油価格は2014年の半ばまでは1バレル=100ドル前後で取引されていました。2014年の後半から価格下落が進み、4分の1近くまで下がってしまったわけですから、これはまさに暴落といってよいレベルです。しかし長期的に見ると、原油の価格はそれほど高い水準で推移してきたわけではありません。

 戦後の約30年間にわたって原油価格は1バレル=1ドル台での推移が続いていました。当時の貨幣価値と現在の価値は異なりますが、インフレ率を考慮に入れても1バレル=10ドル台となります。こうした状況を一変させたのが1973年と1979年の二度にわたるオイルショックです。

長期的に見れば、特に驚くような数字ではない?

 石油輸出国機構(OPEC)の主要加盟国が突然大幅な値上げを実施したことから、市場価格が高騰、最終的には40ドル台まで上昇しました。これは現在の価値に置き換えると100ドル前後となります。オイルショック発生直後の日本ではパニックを起こしてトイレットペーパーの買い占めをする人たちも現れました。しかし、市場は落ち着き、1980年代に入ると原油価格は20ドル台(現在の価値では30ドル台)で安定するようになります。

 この状況が再び変化したのが2000年代の価格高騰です。中国など新興国経済の驚異的な成長によって、需給が逼迫するとの観測が高まり、原油価格が再び100ドルに上昇しました。その影響が2014年まで続いていたわけです。再生可能エネルギーの議論がこの時期に高まってきたのも、価格高騰が大きな要因の一つになっています。

 戦後70年間を平均してみると、原油価格は現在の価値で約40ドルです。オイルショックや需給逼迫など、特殊要因があると100ドルに上昇し、そこがピークになるというパターンが見られます。原油価格が相対的に高かった最近の状況と比較すると暴落ということになりますが、長期的に見れば、最低水準を下回っていませんから、特に驚くような数字ではないという解釈も成立するわけです。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2016/2/25(木) 2:37
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