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事業の変革を進めるGEが本社を移転する理由とは

2016/1/24(日) 7:00配信

THE PAGE

 米ゼネラル・エレクトリック(GE)が矢継ぎ早に事業の変革を進めています。14日に本社をマサチューセッツ州のボストンに移すことを明らかにし、翌15日には同社家電部門の中国ハイアール売却を発表しました。昨年の11月にはフランスの重電大手アルストムとの合併を完了しているのですが、これら一連の動きの背景には何があるのでしょうか。

製造業回帰路線を明確に

 GEは、発明王エジソンが実質的に創業した歴史のある重電メーカーです。90年代には、GEキャピタルなど金融部門を強化し、脱製造業を試みた時期もありますが、最近は、製造業回帰路線を明確にしており、その中でも重電・機械分野への集中化を進めています。

 GEの家電部門は、家庭用の給湯器や冷蔵庫といった大型家電の分野では高いブランド力があり、収益力もまずまずでした。しかし同社は重電集中化の方針から家電部門売却を決定し、2014年には、欧州の家電大手エレクトロラックスへの売却で合意していました。この取引は米司法省が難色を示したことで頓挫したのですが、同社は、粘り強く相手を探し、ハイアールとの合意に達したわけです。

IT関係の優秀な人材を大量採用か

 同社がなぜ重電・機械分野に軸足を移しているのかについては、同じタイミングで発表した本社移転の場所にヒントがありそうです。同社はこれまでコネティカット州のフェアフィールドに本社を置いていたのですが、昨年から移転の話が出ていました。コネティカット州の法律が変わり、税制面で不利になる可能性が高くなってきたからです。移転先としては、南部など税金の安い地域の名前が挙がっていましたが、最終的に同社が本社所在地に決めたのは、東部のボストンでした。

 ボストンはハーバード大学やマサチューセッツ工科大学(MIT)など、多数の大学が集まっています。学術都市であるボストンに本社置くことで、IT関係の優秀な人材を大量採用し、製造業のデジタル化に対応する目論見です。

IoTは重電・機械分野が主戦場

 現在、製造業の分野では、劇的なビジネスモデルの変化が起こっています。近い将来、あらゆる部品にセンサーが搭載され、これらがインターネットで相互接続されるようになるでしょう。これをIoT(モノのインターネット)と呼びますが、重電・機械分野はその主戦場とされているのです。

 重電・機械分野では、GEと独シーメンスの2社がデジタル化において先行しています。ボストンに集まる世界最高峰の人材を獲得することで、GEはこの主導権争いに勝利しようとしているわけです。この成果は数年後にはっきりしてくるでしょう。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2016/2/24(水) 2:39
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