ここから本文です

<ラグビー>TL3連覇のパナソニック、SH・田中が号泣した理由とは?

2016/1/24(日) 20:46配信

THE PAGE

 ラグビー日本代表の田中史朗は、喜怒哀楽の振れ幅が大きい男性だ。2016年1月24日の午後も、大観衆の前で嗚咽を漏らした。パナソニックの一員として、日本最高峰トップリーグのプレーオフ決勝を戦い終えた直後のことだ。

 会場である東京・秩父宮ラグビー場のスタンドは、ほぼ満席。公式で「24,557人」というファンが集まっていた。表彰式を前に、看板選手の田中がテレビカメラを向けられる。マイクを持ったアナウンサーといくつかの質疑を重ねるうち、この日にチームがリーグ3連覇を達成したことへの感想を聞かれる。すると突然、「すみません…。泣いてしまうんで」と下を向いた。

 試合は、ノーサイド直前までしびれる展開だった。

 対する東芝は相手を掴み上げるチョークタックルを終始、遂行。特に新人王候補のロック、小瀧尚弘は上腕の強さで魅せまくった。かたやパナソニックのフォワード陣も、ランナーとサポートプレーヤーが一対になることで東芝の絡みつきを最小限に止めようとした。

 正スタンドオフのベリック・バーンズの故障からチャンスを掴んだヘイデン・パーカーは、難易度の高いものを含めた5本のプレースキックを成功させた。のちにプレーオフのMVPに輝くこととなる。

 一時は最大13点差をつけたパナソニックだったが、ノーサイド直前、東芝に迫られる。パナソニック側から見て敵陣中盤左の相手ボールスクラムから、外国人選手の快走を許す。その時にあった6点差を、1点差に詰められた。27-26。東芝のフルバックであるフランソワ・ステインがコンバージョンを外したことで、何とか、田中は白星を収めたのだった。

 ずっと競技人気向上のために身を粉にしてきたとあって、大歓声に包まれる雰囲気が嬉しかった。多角度から未来への提言を重ねてきたとあって、勝って自分たちの正義を証明したいとの意識もあった。

「ずっとパナソニックから世界へ…と言ってきているなか、僕たちが勝たないと発言力をなくすかな、と思っていた。何としても、勝って終わりたかった。その思いが…」

 いくつかのバックグランドが折り重なって、一滴の涙につながったのだろう。

 
  

1/3ページ

最終更新:2016/2/24(水) 2:33
THE PAGE