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日銀がついにマイナス金利を決定、ただし適用するのはごく一部だけ

2016/1/29(金) 20:52配信

THE PAGE

 日銀は、28日と29日に開いた金融政策決定会合で、これまで実施してきた量的緩和策に加えて、金融機関から預かっている当座預金の一部に対してマイナス金利を付与することを決定しました。量的緩和策の効果をさらに高めることが狙いですが、マイナス金利とはどういう仕組みなのでしょうか。そしてわたしたちの預金はどうなるのでしょうか。

日銀に眠る当座預金、市中にお金が出て行かない

 日銀は市場に供給するマネーの量(マネタリーベース)を年間80兆円のペースで増やすという量的緩和策を2013年4月から実施しています。この結果、2013年4月時点において約150兆円だったマネタリーベースは順調に増え続け、2015年12月には、約350兆円にまで膨れあがりました。

 量的緩和策の本当の狙いは、市場にインフレ期待を醸成させ、実質金利を低下させることで、銀行の融資を拡大させることです。しかし、日本国内には目立った融資先がなく、銀行は、日銀の中に開設した当座預金にお金を眠らせたまま、ほとんど活用していません(これを金融業界用語ではブタ積みと呼びます)。

 この状態では、さらに国債を追加購入しても、当座預金残高が増えるだけで、お金が市中に出回らない可能性が高くなってきます。そうなってしまうと、物価が上昇せず、当初、想定していた効果を得られないことになります。

日銀の姿勢を示すための心理的効果を狙った措置

 このため日銀は、従来、法定準備金を超える部分について0.1%の金利を付けていた当座預金の金利を見直し、超過分の一定割合についてはマイナス0.1%の金利を適用することを決定しました。

 金利を付与するのではなく、手数料のような形で逆にお金を徴収することで、日銀への預金を減らすことが目的です。この措置は、銀行が日銀に開設した当座預金が対象ですから、わたしたちの一般的な預金口座は関係ありません。あくまで銀行に対してお金を余らせないようにする措置です。

 もっとも、実際にマイナス金利が適用されるのは、当座預金のうち、ごくわずかです。現在、銀行は当座預金に約230兆円を預金しており、法定準備金部分を差し引いた残高は221兆円に達します。もしこの部分にそのまま0.1%のマイナス金利を適用してしまうと、銀行には約2200億円もの損失が発生する計算となり、銀行株は暴落してしまいます。

 したがって今回の措置では、2015年の平均残高分をマイナス金利の対象外としており、超過分にしかマイナス金利は適用されません。その金額はざっと計算すると18兆円程度になりますが(状況によって数字が変わる可能性あり)、銀行は500兆円近くの貸し出しを行っていることを考えると、目立った効果はないでしょう。あくまでも、量的緩和策を強化するという日銀の姿勢を示すための措置というわけです。

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最終更新:2016/1/29(金) 20:55
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