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尼崎の特大巻寿司「近松巻」をひと切れ単位で全国発信

2016/2/2(火) 10:50配信

THE PAGE

尼崎の特大巻寿司「近松巻」をひと切れ単位で全国発信

 具材たっぷりの特大巻寿司を、ひと切れ単位で販売し、ランチやもてなし料理として味わってもらう新しい食文化が、兵庫県尼崎市から全国へ発信されつつある。老舗職人の名物料理が行政の支援を得て、さらに味わいを高めて販売手法を一新。勇躍、全国デビューを目指す。

近松ゆかりの尼崎で華やかな「近松巻」考案

 お寿司の名前は創作あなご寿司「近松巻」。阪急塚口駅前にある1938年創業の松葉寿司が5年前に考案した名物料理だ。尼崎は「曽根崎心中」などで知られる劇作家近松門左衛門ゆかりの地。同店では太巻の華やぎを秀麗な近松劇に見立て、「近松巻」と名付けて提供してきた。

 地元では「松葉寿司の近松巻」として親しまれてきたが、顧客からの要望も聞いていた。直径10センチと超太巻でボリュームがあるため、顧客が通常ののり巻のように丸々1本購入すると、なかなか食べきれないという。

 そこで、ひとりでも食べやすいよう、改良に着手。「近松巻」1本を8等分に切り分けたうえ、コンビニのロールケーキのようにひと切れ(1貫)ずつパックに詰めて提供する販売方法を思い立つ。さらに具材の構成を再検討。明石産のあなごを中心に、えび、かずのこ、とびっこ、湯葉、玉子焼、しいたけ、きゅうりなどの具材をたっぷり盛り込む。いろいろな味を楽しめ、彩りも華やかな逸品に生まれ変わった。

巻寿司を1貫ずつ味わう新しい食文化を提案

 全国発売に向け、解消すべき懸案は、70数年来受け継いできた老舗職人の味を、いかにして堅持するか。配送のための冷凍保存で、「近松巻」の繊細な品質が劣化するようであれば、全国へ打って出る意味がない。品質管理方法を探ったところ、食品の細胞膜を壊さずに凍らせる最新のプロトン急速冷凍技術を駆使すれば、品質を損なうことなく作り立てに近いおいしさで顧客に届けられることが判明した。

 松葉寿司では、兵庫県が運営するクラウド・ファンディングを活用した企業支援制度「キラリひょうごプロジェクト」に応募。このほど11件のプロジェクトのひとつに選定され、クラウド・ファンディングによる資金調達が始まった。調達した事業資金でプロトン急速冷凍機を導入し、ネット通販などによる全国販売を開始する予定だ。

 今年は地元尼崎市の市制100周年。松葉寿司では「近松巻」を、同じ明石産のあなごを使用する「あなご飯」とともに、尼崎の名物料理としてアピールしていく。

 超太巻寿司を1貫ずつ提供する販売スタイルは珍しく、新しい食文化の提案にもつながる。顧客は「近松巻」の切り口の美しさを鑑賞しながら、楽しい食事のひとときをすごす。厚さも3センチほどあるので、女性なら1貫で手ごろなランチになる。

 プロジェクトを推進する岡本博幸松葉寿司専務取締役は「職人の味と心を守りながら『近松巻』を全国へ発信していきたい。当面の販売目標は1万食ですね。ひとりでも多くの皆さんに召し上がっていただけたら」と意気込む。

 世界的に注目を浴びる和食の世界に、尼崎から新風を吹き込むことになりそうだ。詳しくは「キラリひょうごプロジェクト」や「松葉寿司」の公式サイトで。
(文責・岡村雅之/関西ライター名鑑)

最終更新:2016/2/2(火) 11:12
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