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掛布ネットワークで若手育成

2016/2/21(日) 13:12配信

THE PAGE

 阪神の掛布雅之2軍監督(60)が陣頭に立つ高知・安芸キャンプを訪ねた。掛布2軍監督のユーモアを交えた明るいムード作りと、コーチ、選手との意思疎通の深さが目につき、「明るく、激しい」キャンプに2軍からも変革の兆しを感じた。若手に有力な選手が何人がいたが、その変化に驚かされたのが、スイッチヒッターに挑戦中の2年目、植田海遊撃手(19)の姿だ。

 近江高からドラフト5位で入団した昨春のキャンプで、当時の古屋英夫2軍監督(現2軍チーフ)が、その俊足に目をつけ、左打ちを会得すれば面白いと提案。昨秋、掛布2軍監督と、金本監督のホットラインでスイッチ転向が正式に決定し、今春キャンプから本格挑戦がスタートした。

 16日のシート打撃での左打席は、2三振と散々だったが、その翌日のフリー打撃では快音を連発させ、ガラッと変わった姿をアピールした。実は、掛布2軍監督が、自らの現役時代に培ったネットワークを使い、スイッチの第一人者として数々の安打記録を作った高橋慶彦氏に電話をかけ、スイッチ転向で左打席に取り組む際のアドバイスを求めたのだ。高橋慶彦氏は、ロッテのコーチ時代に西岡剛のスイッチ転向を鍛えあげた指導力で知られる。現在オリックスの打撃コーチであるが、掛布2軍監督は、球団の枠を超えて“友人”に協力を仰いだ。

「慶彦が言うには、まず左打席はマシンを徹底して打ち込みフォームを固めることが先決だと。本来、マシン打撃は推薦できないという部分は僕と同じ考えだが、ことスイッチ転向に関しては話は別だと言うんだ。それとスイッチにはいろんなタイプがあって、広島で活躍した山崎隆造などのバッターには当てはまらないが、植田のように足を生かすことを目的とした転向の場合、左打席では、必ずグリップをひと握り以上はあけて、短く持つことが必須だと教えてくれた。さらに、もっと言えばグリップの太いバットのスタイルに変えたほうがいいと言うんだ。さっそく、それらの意見は参考にさせてもらった」

 掛布2軍監督がオリックスの高橋打撃コーチから伝えられたアドバイスを元に植田を指導すると、そのバットを短く持つスタイルが合ったのか、フリー打撃の左打席で、糸を引くようなライナー性の打球を連発するようになっていた。またすぐにグリップの太いタイプの左打席用のバットを発注したという。

17日に行われた30メートル走の計測では全選手トップの4秒07をマークした。左打席では、俊足を生かした“レッドスター”赤星憲広氏のようなバッティングを会得できれば、1、2番タイプとして面白い存在になれるのかもしれない。

 阪神の次世代の内野手としては、1軍キャンプにいる陽川尚将(24)、北條史也(21)が注目を集めているが、“ポスト鳥谷”としてのショートストップの有力候補は、まだ見当らない。それだけに19歳ながら、その堅実な守備力に定評のある植田への期待値は大きい。昨秋キャンプでは、その守備センスに目をつけた金本監督が急遽、1軍キャンプに合流させたほど。時間がかかるかもしれないが、植田がスイッチ転向を成功させ、俊足を生かした1、2番タイプに成長すれば、鳥谷とは、またスタイルの違うショートストップとしてレギュラーに定着できるかもしれない。2、3年後を考えると“ポスト鳥谷”の育成は急務なのだ。

 掛布2軍監督が言う。

「一人でも多くの一軍で活躍できる選手を育成するのが2軍監督の仕事であり責任。そのためならば、自分の人脈やネットワークを使ってなんだってやる。いろんな目、いろんな考えで選手の可能性を広げてやりたい」

 今年の阪神は2軍の動向からも目が離せそうにない。
   

最終更新:2016/2/21(日) 13:16
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