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Sラグビー初参戦のサンウルブズの何が通用して、何が駄目だったのか。

2016/2/28(日) 7:00配信

THE PAGE

 世界最高クラスのリーグ戦であるスーパーラグビーに、いよいよ日本のチームが初参戦した。昨秋のワールドカップイングランド大会の日本代表を10名擁するサンウルブズが、2月27日、東京・秩父宮ラグビー場で南アフリカのライオンズと開幕節をおこなった。

 13―26で惜敗も、一時は6点差に迫った。ファンを沸かせた。後半18分に追撃のトライを決めた堀江翔太主将は、「(ゲームを通して)信頼できる仲間がどんどんできてきた。それで結果がついてこなかったのは悔しいです。歩みを止めないでいきたい」と先を見据えた。

 各クラブが数ヶ月かけて準備を進めるなか、サンウルブズは今月上旬になってようやく始動した。37歳とチーム最年長の大野均が「試合前はショータ(堀江主将)も100点ゲームなんかされたらどうしよう…と言っていて」と振り返るなど、内外で厳しい戦いが予想されていた。

 ライオンズは、2014年に南アフリカの年間最優秀コーチに輝いたヨハン・アッカルマンヘッドコーチを軸にまとまっている。一時はスーパーラグビーからの降格を経験するも、昨季は15チーム中8位に躍り出た。今季も南アフリカ代表で2ケタ台のキャップ(国際間の真剣勝負への出場数)を持つ選手はいないなか、国内最高峰リーグのカリーカップを12戦全勝で制していた。

 両軍間には、平均身長や平均体重などの数値では表しづらい差があるとされた。

 それでもふたを開けてみれば、新参者が組織力を示す。この日に限れば、不安は取り越し苦労に終わった。前売り券は完売。公式で「19,814名」のファンが、サンウルブズの真っ赤なタオルをぐるぐると回した。堀江は言う。
「ホームという雰囲気。力になった。ライオンズはやりにくかったんじゃないですか」

 サンウルブズはここまで、控え組を含めた選手の意見を引き出しながら、エリアごとの陣形や球を運ぶ方向性を細かく設定してきた。突貫工事のような準備期間にあっても、堀江主将は「頭を使ってきた」と手ごたえを語る。この日も、組織だった攻めでボールを散らした。そして6-19で迎えた後半18分には、クラブ史上初のトライを奪った。

 まずサンウルブズは、敵陣22メートル線付近左でターンオーバーを決める。

 その地点の右隣で、フランカーのアンドリュー・デュルタロが直進する。相手を巻き込む。スムーズに出された球を、その右に立つスタンドオフのトゥシ・ピシが受け取る。相手を引きつけながらのパスで、センターの立川理道を走らせる。

 さらに右へ攻撃を重ねると、今度は左へ展開する。司令塔のピシが、1つ外側の味方に球をあずけてその大外へ回ってパスを受け取る「ループ」の動きを繰り出す。ライオンズの守備網を切り裂く。ここからフォワード陣が密集近辺を攻め立て、堀江主将がとどめを刺したのだった。直後のピシのコンバージョンゴール成功で、スコアは13-19となった。堀江主将の言葉には、クラブの方向性がにじんだものだ。

「チームでゲインを切って(突破して)、僕は最後に目の前でぽんと置いただけ。(自身がトライしたことは)ラッキーかな、と」
   

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最終更新:2016/2/28(日) 8:02
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