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【対IS】こうして米軍は、民間人を何人殺していいかを決めている

2016/3/1(火) 22:10配信

BuzzFeed Japan

昨年、米軍の特殊作戦「ドローン・プログラム」に参加しているチームが、秘密施設に集結し、IS(イスラム国)への攻撃作戦について話し合っていた。

あるドローン操縦士は、一般市民の犠牲者数の査定方法について質問を受けた。イラクやシリアの都市部には、未だ多くの人々が暮らしている。ISはそれを都合よく利用して軍事資産を都市部に移動させ 、民間人のいる場所に隠している。多くの民間人が危険にさらされる可能性がある中で、攻撃する決断を下すのか、と米国諜報機関の職員が尋ねた。

「10人未満であれば、攻撃してもよいことになっています」と、兵士は答えたという。

米国諜報筋を通じて伝えられたこの話は、遠隔攻撃の現実をはっきりと示している。米国はドローン戦争で、民間人の犠牲者を出さないよう懸命に努力し、ISとの闘いにおいても水準を維持しようとしている、と繰り返し述べてきた。しかし、テロ集団との闘いが進行するにつれ、ホワイトハウスは民間人の命と軍事的優先事項を天秤にかけることに、ますます抵抗がなくなっているようだ。

世界中のドローン操縦士は、罪なき人々の命の価値が、あらかじめ定められた基準に沿っているかどうかを日々判断しているだけだ。これが合法的な戦争の現実だ。国際人道法は、罪なき人命を奪うことを禁じていない。悲惨なこのゲームでは、兵士たちが基準を決めることはない。

オバマ政権では、ある軍事目標には民間人何人分の命の価値があるかを、司令官が決めるための方程式を考案している。ホワイトハウスの戦時体制の考え方の根底にあるのは、無感情な科学である。

米軍は当初、ISとの戦いでの民間人犠牲者をゼロにする方針を掲げていた。数人の軍事筋と諜報筋がBuzzFeed Newsに語ったところによると、オバマ政権は、表向きはこの方針を変えてはいないが、制限を緩めるよう示唆していたという。ワシントンで最近あった記者団との朝食会で、アダム・シフ下院議員は、オバマ政権は民間人の犠牲を出すことをいとわなくなってきている、と発言していた。

米政府は、表向きは民間人の犠牲者を出すことを許さない、と言いつつ、裏では、こっそりゴーサインを出すという二枚舌を使って戦争をしている。実務にあたる兵士や諜報部員は混乱してしまう。

「方針が決まっているから、それと違うことはできない」と、ある米国諜報筋が語った。

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最終更新:2016/3/1(火) 22:10
BuzzFeed Japan