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「人間の常識と違っていた」人工知能 vs プロ棋士 観戦したプロはこう見た

2016/3/9(水) 19:14配信

BuzzFeed Japan

初めて囲碁のプロ棋士を破って話題を集めた人工知能「AlphaGo」。ついに3月9日、「世界最強」と恐れられる韓国のイ・セドル9段(33)との初戦に臨んだ。大方の予想を覆し、AlphaGoが初戦を制した。

AlphaGoはDeepMind社(ロンドン)が開発したコンピュータープログラム。Googleが2014年に同社を買収した。

AlphaGoは昨年10月、3度欧州チャンピオンに輝いた棋士と対戦して、5戦全勝。真価を試すために、世界最強と呼び声の高いイ・セドル9段と戦った。

対局はライブ配信され、YouTubeで約10万人が視聴した。中盤まではイ・セドル9段が有利だという見方が大勢を占めていたが、AlphaGoの勝利に終わった。

公式配信番組で対局を解説したマイケル・レドモンド9段は、「大きな驚きだ。 最初はイ・セドルが勝つだろうと思った。中盤は(イに)有利にみえたが、どちらが勝つかわからない状況だった。終盤も複雑だった」と振り返った。

ニコニコ動画は、ユウ・ホウ6段や大橋拓文6段らのライブ解説を配信。ふたりは2時間余りの段階で、AlphaGoが勝ったと判断した。ふたりは「強いね」「ビックリですね」「われわれはプログラムを手に入れて、勉強しましょうかね」と笑いあった。

人間が完敗の予測も……

大橋6段は対局後、BuzzFeed Newsの取材に対して、「希望を込めて人間が全勝すると思っていた。だが(AlphaGoは)異常に強く、正直、人間が全敗してもおかしくない」と話した。

大橋6段に対局のポイントを解説してもらった。

・AlphaGoは意外な手が多かった。一見、イさんが勝ったとみえたが、10手、20手ぐらい進行すると、その不思議なAlphaGoの手が効いていた。人間の棋士ではみたことがない手で、人間の常識と違っていた。

・イさんは7手目で珍しい手を打った。AlphaGoが学習していることを外そうとしている意図がみえた。対してAlphaGoは10手目が珍しかった。振り返ると、この7手目と10手目の組み合わせがAlphaGoにとって悪くなかった。

・AlphaGoの手は人間っぽかった。今までのコンピューターにはないことだ。「Aですか、Bですか」というような相手の様子を聞くような手だった。これまでは結果を求め、直線的で短絡的だった。

・明日の対局が重要。人間とAlphaGoの先攻と後攻が入れ替わるので、両方のパターンで強さがわかる。人間が負けると厳しくなる。精神的にも追い込まれる。

大橋6段に、AlphaGoと対戦してみたいか聞いてみた。「やってみたいとは思いますけど、今日の碁を見せられると自信はないです」。また、イ・セドル9段に勝てるのは、中国の柯潔(かけつ)9段ぐらいで、彼も勝てなければ「人類はもうコンピューターに勝てないでしょう」と話す。

あと4局

戦いはあと4局。10、12、13、15日、いずれも午後1時に始まる。勝者には100万米ドル(約1億1200万円)が贈られる。AlphaGoが勝った場合、賞金はユニセフや碁のチャリティーなどに寄付される。

今後の対局もライブ動画で見られる。ニコニコ動画もライブ解説を配信する。

最終更新:2016/3/9(水) 19:14
BuzzFeed Japan

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