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リベンジポルノ被害をどう食い止める スマイリーキクチさんが語る

2016/3/18(金) 15:43配信

BuzzFeed Japan

被害者に「お説教はダメ」100%被害者として受け止める

交際中に撮った性的な写真を、元恋人にばらまかれる。「リベンジポルノ」の被害が2015年に全国で1143件あった、と警察庁が発表した。これは全体の一部で、警察に被害相談がない事例も多いとみられる。被害を防ぎ、拡散を抑えるにはどうすべきか。二人の「プロ」に聞いた。【石戸諭】

「完璧に防ぐのは難しいですね。そもそも、寝ている時に写真を撮られるケースもあります。自分が気づかない盗撮に近いケースもある。これだけインターネットが普及している時代です。潜在的な被害者はまだいるでしょう。完全には防げないという前提で対策する必要があります」

そう語るのは、無根拠のデマがもとで10年以上「殺人犯」などとネット上で誹謗中傷を受けたスマイリーキクチさんだ。キクチさんは、ネット上の誹謗中傷やリベンジポルノについて各地で講演し、その対策をまとめた動画をYouTube上で公表している。

動画は、リベンジポルノの被害にあった人への実践的な対応マニュアルになっている。被害にあった際の証拠の集め方を具体的に示しており、警察の中でもリベンジポルノなら生活安全課にいくように呼びかけている。

動画の中で、キクチさんはこう強調している。

「本人の同意なしに画像が公表された場合は、スマホやパソコンに速やかに保存しましょう。電話、メール、SNSの書き込みも被害の証拠になるので、必ずデータとして保存する。証拠を集めた上で、警察にいきましょう」

キクチさんは「相談を受ける側にも守るべきルールがある」と話す。

特に懸念しているのは、二次被害になりかねない「お説教」だ。キクチさんのもとには、リベンジポルノの被害者から相談が寄せられることがある。そこで聞くのが「簡単には相談できない」という声だ。

「被害者は勇気を出して相談したのに、周囲に『悪いのは送ったあなたもでしょ』と言われる。親から『スマホなんか持っているから悪い』といって取り上げられたという話も聞きました。スマホなしでどうやって相談するのでしょうか。親に限らず、学校関係者や警察から言われたということも少なくありません。ネットの怖さを一番知ったのは本人です。まずはしっかり受け止めましょう」

警察は、どういう対応をしているのか。

BuzzFeed Newsは警察庁生活安全企画課の牧智明さんに話を聞いた。
「警察の意識も変わってきました。昨年あった1143件の中で、警察が被害者の代行でプロバイダーなどに画像の削除依頼をだした件数は67件あります」

相談や捜査だけでない、というわけだ。

警察庁の統計(私事性的画像というエクセルのファイルにまとまっている)によると、加害者の多くは結婚相手や元交際相手だが、130件はインターネットのみの知人、友人関係だ。男性の被害相談も102件含まれている。

「被害はよくイメージされるような『若い女性』に限りません。交際中であっても、嫌なものは嫌という。不安を感じた時は一人で抱え込まず、まずは相談をしてほしい。警察への相談は被害が広まってからではなく、早ければ早いほどいいのです」

警察庁は3月18日、ストーカー被害やリベンジポルノについて情報をまとめたポータルサイトを立ち上げている。

警察も、相談がなければ動けない。ネット上に拡散したデマに苦しめられたキクチさんは、力を込めて強調する。

「大事なのは、被害者を100%被害者として受け止めること。相談を受ける側が最低限守るべきルールです。これを社会的な合意にしたい。あなたも悪かったなんて話はすべてが終わってから話せばいいのです」

被害者にはこう伝えたい、とキクチさんはいう。

「あなたが我慢して、自分を責めて泣き寝入りする必要はまったくないのです。悪いのは加害者です。彼らを放置する必要はないのです」

最終更新:2016/3/18(金) 17:11
BuzzFeed Japan