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「チップ制度を終わりにしたい」動き出した米レストラン関係者たち

2016/3/21(月) 10:50配信

BuzzFeed Japan

ブレアナ・フルトンにとって、チップで生計を立てることは空を眺めることを意味する。嵐が来れば、離陸できない飛行機の搭乗客たちが、彼女が給仕を担当しているケネディ国際空港にあるレストランに押し寄せ、週の給与が数百ドル増えることを意味する。しかし、好天続きでスケジュール通りにフライトが続けば、同じ額の毎月の家賃、ガソリン代、食費、そして携帯電話代を払うために、倍のシフトをこなさなければならないことになる。

アメリカ国内で、チップで生計を立てているおよそ430万人の労働者の財政状況は、予測不可能なものだ。シフトのスケジュール、勤務先の飲食店の寛大さ(あるいはケチさ)、そして天候が、どのくらいの額を稼ぐことができるかを決めるのだ。減速する経済や、メニューの変化といった小さな要因が、収入の減少に直結することもある。そしてチップをもらっている労働者の時給が、連邦政府の定める最低額を下回る州は43 の州にのぼり、そのうち19の州では、たったの2.13ドル(240円程度)の最低賃金だ。

今、アメリカの外食産業ではチップ制度の改革を求める気運が高まっている。ハンバーガーとミルクセーキで有名なチェーン店「シェイク・シャック」などを経営する「ユニオン・スクエア・ホスピタリティグループ」のダニー・マイヤーCEOを含む新たな雇用者連合は、労働者がチップをもらっていることを理由に、給与が最低賃金未満でも雇用可能になる状況を変えていこうとしている。

彼らの挑戦には、二つのハードルがある。第一に、全米レストラン協会(NRA)に真っ向から対決することになる。 全米ライフル協会と同じ略称を持つこの業界団体は、豊富な資金とロビー活動で知られ、全米の最低賃金の上昇に対し、猛烈に反対している。

そして第二に、チップ制の労働に対して多くの人々が抱いている楽観的イメージを変える必要がある。このようなイメージは多くの場合、しゃれたバーやレストランでの接客係とやりとりをした個人的な経験や、 元ウェイターたちのセンセーショナルな暴露話にから生まれているものだ。

「チップをもらっている労働者はほとんどが学生だとか、高級レストランで年にチップで5万ドル、6万ドル、1000万ドルも稼ぎ出している高給取りのウェイターだという誤解があります」と、労働者の権利擁護団体、 レストラン・オポチュニティー・センター(Restaurant Opportunities Center:ROC)で共同ディレクターを務めるサル・ジャヤラマンは、BuzzFeed Newsに語った。ジャヤラマンは「実際、チップをもらっている労働者の大半が女性で、多くがアメリカのチェーンレストランである IHOP やApplebee’sといった店で働いています。その認識を変えることが重要なのです」

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最終更新:2016/3/21(月) 10:50
BuzzFeed Japan