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原子力規制委・田中委員長の会見(全文1)汚染水問題と高浜仮処分について

2016/3/24(木) 11:14配信

THE PAGE

 原子力規制委員会の田中俊一委員長は23日、東京の外国特派員協会で会見した。東京電力福島第一原発の廃炉作業で生じる放射能汚染水について、田中委員長は「排出基準以下になったものは海に放出することを推薦している」としたほか、大津地裁が関西電力高浜原発3、4号機の運転差し止めの仮処分決定を下したことについては、「仮処分決定が出たからといって、現在行っている規制の中身を変える必要はない」などと主張した。

【中継録画】原発事故の再発防止は? 規制委の田中委員長が会見

2011年の原発事故後、5年間の原子力規制の流れについて

司会:一応、本日の司会を務めさせていただきます、Aaron Sheldrickと申します。本日は原子力規制庁の田中委員長をお迎えしております。ご紹介するまでもない方でいらっしゃいますけれども、世界一厳しいお仕事に就かれていると申し上げてもいいんではないかと思います。2011年の福島第一の事故を受けて新しくつくられたこの原子力規制庁、そして規制委員会の長を務めていらっしゃって、そのお立場の中で非常に原子力に対して疑いを持っている国民に対して、この独立性を訴え、そしてきちんとした目で原子力発電所を審査しているということを示さなければいけないという、大変なお立場にいらっしゃいます。たぶん田中委員長のせいではないと思いますけれども、実際、進行はかなり時間がかかっておりまして、今のところは2カ所でしか再稼働がなっていないという状況でもあります。

 それでは進め方なんですけれども、普通はスピーカーの方に手短にプレゼンをしていただいて、それからご質問をお受けするというやり方でやっておりますけれども、本日は田中委員長のほうからのご依頼もありまして、ちょっと違うやり方で、私が、司会のほうからいくつか質問させていただいて、ソクラテスの問答のようになるかもしれませんけれども、そういった形で始めさせていただきます。もちろんジャーナリストの皆さま方のお邪魔にならない程度にさせていただきたいと思います。

 いつもの注意事項ですけれども、恐れ入りますけれども携帯電話を切っていただいて、そしてスピーカーの方に対して通常の、きちんと敬意を払っていただいて、その形で進めさせていただきたいと思います。これをもって始めたいと思います。

 では田中委員長、あらためて、本日はお越しいただきましてありがとうございました。簡単に2011年のあの事故を受けて、5年間のこの原子力規制の流れといいますか、進捗についてお話しいただけないでしょうか。

田中:事故が起きたのは5年前ですけれども、規制委員会ができたのはそのあとですので、ちょうど3年半前です。従来の原子力規制組織とはまったく違った形で、法律的に言えば三条委員会ということで政治的な中立性っていうのを保証されているような形でできたというところが組織としての大きな特徴かと思います。

 ただ、私が就任したとき申し上げましたのは、原子力に対する安全規制っていうものが、まずこの事故によって完全に地に落ちてしまったと。おそらく99%ぐらいの方はもう信頼を失ったというふうに思いました。で、それをいかに回復できるかと。われわれの力でどこまで回復できるのかということが1つのチャレンジで、われわれはそのために何をするかっていうことは、まず透明性を、トランスペアレンシーって言うんですが、全ての審査、全ての委員会のいろんなもの、会合は全て公開で行うということ。

 それからいろんな判断については科学的中立性をきちっと守っていくということ。それから、最も国際的に見ると大事なことは、政治的な中立性をいかに保つのかっていうことも。独立性ですね、中立性っていうよりも。政治的にどう独立していくかという、その3点を大きな柱としてこの3年間、進めてまいりました。
 で、法律では。

通訳:1回、先生、切っていただいていいですか。

田中:ああ、すいません。

 Thank you. で、そういう原則のもとでわれわれに与えられた大きなミッション、いくつかあるんですけども、一番大きいことは、まず事故のあった福島第一原子力発電所の廃止措置をいかに安全に、速やかに進める、スムーズに進めるかということが1つ。それから、当時は大飯の発電所を除いて全て止まっている状態でした。で、それについては発足後10カ月後以内に新しいレギュレーションを作って、それに基づいてもう一度規制を見直す、バックフィッティングをするということですが、それを行ってまいりました。で、許可、許認可を得て稼働している炉もありますけれども、今まで26基の炉について変更申請が行われて、それの審査を行っています。

 さらにもう1つ申し上げますと、福島第一事故の大きな教訓は、事故が起きたときのいわゆるEmergency preparednessっていうんでしょうか、住民の安全をいかに確保するかというところがありまして、これについては規制マターではありませんけれども、その基本的考え方、指針については私どもが相当、中で議論しまして作成しました。まあ大きなところはそういうところです。

 個人的なことを1つだけ申し上げますと、やはり私は福島の出身で、原子力を50年近く携わってきた人間として、やはりこの事故によって大きな被害を受けている福島の皆さんをいかに、できるだけその被害を元に戻せるかどうかというところで最大限の努力をしたいということが、この委員長を引き受けたときの1つの大きなモチベーションになっています。

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最終更新:2016/3/24(木) 14:12
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