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スティグリッツ氏も「先送り」を提言 消費増税の再延期でも課題山積

2016/3/25(金) 7:00配信

THE PAGE

 2017年4月に実施が予定されている消費増税の再延期論が高まってきました。安倍首相は経済学の国際的な権威と次々と会談していますが、これは増税再延期のための布石であるとの見方が一般的です。

消費増税の再延期を実施するための地ならしか

 政府は3月から、国際金融経済分析会合と呼ばれる会合を連続して開催しています。これは、安倍首相をはじめ政府首脳が、内外の有識者から世界の経済や金融情勢について見解を聴取するというものです。第1回の会合には、世界的な経済学の権威の一人といわれる、ジョセフ・スティグリッツ教授が招かれましたが、スティグリッツ氏は財政政策の重要性を説くと同時に、消費増税は実施すべきではないと主張しました。第3回の会合には同じく経済学の権威であるポール・クルーグマン教授が招かれ、同じく消費税について消極的な見解が示されました。

 永田町では、この会合を開催した目的は、安倍首相が消費増税の再延期を実施するための地ならしであるとの見方が一般的です。消費税について消極的な見解を述べることがあらかじめわかっている経済学者をあえて選んでいるからです。消費税の再延期を決定し、景気対策を万全にした上で選挙に臨もうという算段なのかもしれません。

 消費税を増税すると確かに家計の所得は減ってしまいますが、税金で徴収された分は、政府支出となり、最終的にはやはり家計の所得となります。また政府支出については、GDP(国内総生産)の定義上、純粋なプラスとカウントされます。その意味では、消費税の増税はそれほど景気に悪影響を及ぼしません。

消費増税が再延期なら財政問題が焦点に

 しかしながら、現在の経済情勢では消費税を増税すると消費を冷やしてしまう可能性が多分にあります。2014年4月の消費増税時には、生活必需品も含め多くの商品で駆け込み需要による著しい販売増加という現象が見られました。

 生活必需品は一生買い続けるものですから、消費増税前に多少、買い込んだところで、ほとんど意味はありません。それでも増税前に買いだめする人が殺到したということは、1円でも節約したいという人が多いことを物語っています。これは家計の状況がかなり苦しいことの裏返しといえるでしょう。

 もし消費増税が再延期された場合には、さらなる景気の落ち込みは回避できるかもしれませんが、その後は、日本の財政問題に焦点が当たってくることになります。また税収が増えないと、財政出動によって景気を浮揚させることも難しくなってしまいます。仮に増税を再延期したとしても、課題が山積という状況に変わりはありません。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2016/3/25(金) 10:07
THE PAGE