ここから本文です

不倫された「責任の一端」ってなんだ? 弁護士に聞いてみたら一刀両断

2016/3/27(日) 9:07配信

BuzzFeed Japan

不倫を報じられた乙武洋匡さんが、妻の仁美さんとともに謝罪文を公開した。その中で、仁美さんのコメントにあった「妻である私にも責任の一端があると感じております」という一節は注目を集めた。不倫された「責任の一端」とは。夫婦には、相手の不倫を食い止める義務があるのか。

男女問題を数多く扱っている、打越さく良弁護士に話を聞いた。【BuzzFeed Japan 渡辺 一樹】

――法的に考えた場合、不倫をされた側に責任はあるのでしょうか。配偶者に不倫をさせない義務は……。

ありません! 一体どんな義務ですか……。配偶者を一人で自由に出歩かせない、旅行に行かせない、常に監視下に置くとかですか。そんなものがあったとすれば、苦笑するしかない。ものすごい義務でしょうね。

夫婦には、相手方に自分と同じ程度の生活を保障する「生活保持義務」など、同居して互いに協力・扶助する義務(民法752条)があります。夫婦間で衣食住等の費用を出し合う「婚姻費用分担義務」(民法760条)もあります。

また、夫婦は互いに貞操義務を負うともいわれています。これは、不貞(肉体関係)が離婚原因になるという民法770条1項1号により、導かれる義務です。

でも、「相手に不倫をさせない義務」は考えられません。

――不倫の肉体関係を法律では不貞行為と呼ぶんですね。不貞を追及された人が、「あなたにも落ち度がある」「相手にも責任がある」と言い出すケースはありませんか?

乙武さんのように「妻が母になり、夫婦らしさみたいなものが次第に失われていって」といったことを口にする男性は、少なくないと思います。ただ、それは、妻がちょっと態度を改めてくれたらよかったんだよ、という自分勝手なつぶやきにすぎないと言いますか……。

慰謝料をめぐる争いで、不貞をした側が、当時すでに不仲で婚姻関係は破綻していたと主張することはよくありますね。でも、夫婦関係の破綻は、別居しているといった事情がない限り、なかなか立証できません。

自分勝手なつぶやきのように、細かなエピソードを持ち出しても、裁判所が「なるほどね、だったら不貞はしかたなかったよね」と判断することはありません。良識ある弁護士がついていれば、そんな主張を裁判で堂々と展開することにはならないように思います。

1/2ページ

最終更新:2016/3/27(日) 10:52
BuzzFeed Japan