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東大推薦入試、AO入試に特化した塾の合格率約50%ってホント?

2016/3/31(木) 9:55配信

THE PAGE

 2016年から始まった東京大学の推薦入試の合格者の5.5人に1人が、AO(アドミッションズ・オフィス)入試に特化した塾の塾生だったという話が話題になっています。しかし、この数字には多少のカラクリがあるようで、場合によっては議論を呼ぶことになるかもしれません。

合格率は約50%

 東京大学では2016年の入試に初めて推薦入試を導入し77人が合格しました。この77人のうち、14人がAO義塾という塾に在席していたそうです。AO義塾とは、慶応大学大学院卒の斎木陽平氏が、在学中に立ち上げた私塾で、AO入試に特化したプログラムを提供しています。斎木氏自身がAO入試組で、AO入試に関する情報が少なく苦労した経験があり、これが設立のきっかけとなりました。

 AO義塾によると、同塾からの合格者は14人で、5.5人に1人が同塾出身者ということになります。内訳は法学部7人、経済学部1人、工学部4人、農学部2人でした(東大は教養課程修了後に最終的な学部を選択する進学振り分け制度を採用していますが、推薦入試組はこれに該当せず、入学した段階で学部が決まります)。同塾で東大の推薦入試を受けた人は27人でしたので、合格率は約50%です。

 ただ、この実績については一部から疑問の声が上がっています。同塾から受験した27人のうち、当初から塾の講座を受講していたのは8人とのことです。その後、1次選考を突破した19人が同塾の直前講座に参加し、入試に臨んでいます。週刊新潮の報道は、直前講座を受けただけの人まで塾生としてよいのか疑問を呈する形になっています。

 確かに他社では単発の講座受講生はカウントしないケースもあるため、見方によっては数を多く見せる効果が得られているかもしれません。また、全員が無料で受講していたことも問題視しているようです(同塾では初年度なので無料にしたと説明しています)。

 もっとも、当初からの塾生は8人と少ないですが、6人が合格したそうですから、合格率は極めて高いと評価することも可能です。このあたりは人によって解釈が分かれるところでしょう。

 塾はあくまで私企業ですから、どのような宣伝をするのかは自由です。しかし、実績を明確に示すことは事業者としての責務でもあります。当初からもう少し詳細な情報が提供されていれば、こうした行き違いは生じなかったかもしれません。

 予備校産業が巨大化した昭和の時代、優秀な学生を囲い込むため、無料の特待生を乱発する行為が問題視されたことがありました。教育を担う業種ということを考えると、やはり一定のルールに則った情報開示は必要でしょう。


(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2016/3/31(木) 9:55
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