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漢字の「とめはねはらい」は気にしなくていいって本当?文化庁に聞いた

2016/3/31(木) 11:00配信

THE PAGE

 小学校のテストで、漢字の「とめはねはらい」を直された記憶はないだろうか。文化庁文化審議会は、手書きの漢字の字形について、「とめはねはらい」など細かい点にこだわる必要はないとする報告をまとめた。報告書は4月上旬に文化庁のホームページ上に公開、同下旬に書籍として出版予定だ。これは、小学校の漢字テストで散々直された漢字の指導方針からの大転換なのだろうか?今回の指針の意図について、文化庁に背景を聞いた。

「漢字の骨組みが同じであれば、間違っているとみなされない」

 ここで、漢字テストをしてみよう。「保」「女」という漢字は、図の右と左どちらが正しいだろうか。実は、右も左も両方正しい漢字の形とされているのだ。しかし、文化庁文化審議会が2015年に行った調査では、両方正しいと回答したのは、「保」は16・7%、「女」は、10・3%に過ぎなかった。他に挙げた漢字も、全て左右ともに正しい。

 同調査では、入学試験・入社試験などの漢字の書き取りで、字形の違いにより正誤が決まると考えている人が大半に上ることや、役所や銀行の手続きで、印刷された字形と異なる漢字を書くと受け付けられないという問題が起きていることを指摘。文化審議会国語分科会は「文字の細部に必要以上に注意が向けられ、漢字の正誤が決められる傾向が生じている」という課題意識から、2月29日、「常用漢字表の字体・字形に関する指針(報告)」を提出した。

 指針では、常用漢字2136文字全ての印刷文字と手書き文字のバリエーションを例示し、「字の細部に違いがあっても、その漢字の骨組みが同じであれば、間違っているとみなされない」とした。「木」の棒ははねてもいいし、「鈴」の最後の点は上につけてもつけなくてもいいということだ。

「漢字の書き方」の大転換なのか?

 もし、ここまで多様な字形を認めるというなら、小学校の漢字のテストであれだけ厳しくとめはねはらいを直されたのは何だったのか。これは、日本の漢字の書き方の方針の大転換なのか。

 文化庁国語課の担当者は、次のように説明する。「今回の『指針』は、従来の方針を詳しく説明し直したに過ぎません。古くは1949年に発表された『当用漢字字体表』から、繰り返し、その文字特有の骨組みが読み取れるのであれば、誤りとしないという考え方を採ってきました。2000年に制定された『常用漢字表』でも、同じような解説をしています」

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最終更新:2016/4/1(金) 22:51
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