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北海道新幹線、経営に早くも陰り? お祝いムードが消えたあとはどうなる?

2016/4/5(火) 7:00配信

THE PAGE

 北海道新幹線がとうとう開業しましたが、予想通り厳しいスタートとなりました。北海道の中心地である札幌への延伸が2031年とかなり先であることが最大の要因です。ただ、仮に札幌までの延伸が実現しても、状況は好転しないという見方も出ているようです。

乗車率低迷の最大の理由は?

 3月26日の開業日には北海道各地で記念イベントが行われたほか、テレビでも北海道新幹線が連日のように取り上げられ、お祭りムード一色となりました。しかし、以前から予想されていたことですが、開業早々から、乗車率の低迷という問題に直面しています。JR北海道によると、26日の乗車率は61%、27日は37%とあまりよい数字ではありません。在来線特急と比べると、2倍から3倍となっていますが、鳴り物入りで開業した新幹線としてはかなり厳しい状況です。

 乗車率が低迷している最大の理由は、現時点では函館が発着駅となっているからです。約200万の人口を抱える札幌まで延伸すれば、ビジネス利用も含めて乗客数は増えると予想されます。しかし、今のところ札幌から新幹線を利用するには、在来線か飛行機を使って函館に行く必要があり、乗り継ぎが非常に面倒です。函館の先には、青森、盛岡、仙台、東京と続きますが、この中で圧倒的に乗降客が多いのは仙台と東京です。両都市には札幌(千歳)から飛行機が多数飛んでいますので、わざわざ時間のかかる新幹線に乗るメリットは少ないでしょう。

 結局のところ、観光目的で新幹線に乗る人と、青森と北海道を移動する一部の人が乗車するだけということになり、このような数字にとどまっていると考えられます。

4時間超の高速鉄道が飛行機に対抗するには?

 まずは札幌までの延伸が重要ということになりますが、函館-札幌間が開業するのは何と15年も先の31年です。東京オリンピックもとっくに終わっており、日本の基礎的な経済状況すら大きく変わっているかもしれません。札幌の人は新幹線についてあまり関心が高くないようですが、この計画では無理もないでしょう。

 高速鉄道は原則として4時間を超えると、飛行機に対抗できないと言われています。さらに言えば高速鉄道が有利な状況で競争できるのは3時間以内です。現在の北海道新幹線の所要時間は、東京-函館間が約4時間、仙台-函館間が約2時間30分となっています。札幌延伸の場合にはこれに45分から1時間がプラスされますから、大都市間輸送手段としては厳しい状況が続くと考えられます。

 同じく高速鉄道が発達しているフランスでは、最大で日本の新幹線の6分の1程度になる格安な料金プランが低所得者層を中心に、人気となっています。大幅に価格が安くなれば北海道新幹線の乗車率も上がるかもしれませんが、実質的な赤字経営が続き、政府補填によって業務を維持しているJR北海道ではこうした格安プランの提供も難しいでしょう。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2016/4/5(火) 7:00
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