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世界の大富豪 (1)天才的なレベルの買い物上手 ── 孫正義

2016/4/5(火) 11:54配信

THE PAGE

 日本を代表する世界的富豪といえばやはりソフトバンクの孫正義氏の名前が真っ先に思い浮かぶでしょう。ソフトバンクは今でこそ、巨大な携帯電話会社ですが、ソフトウェアの流通や出版という非常に地味な業態からスタートしました。なぜ孫氏はソフトバンクをここまで成長させることができたのでしょうか。

1981年、ソフトバンク創業

 孫氏がソフトバンクを創業したのは1981年のことです。その後、わずか13年で株式の上場(店頭公開)を果たし、その後は、怒濤の買収攻勢で世界企業にのし上がりました。孫氏がソフトウェアの流通業を選択したことには理由があります。ソフトウェアの開発は新規性が高いビジネスですがリスクも大きく、事業には巨額の資金を必要とします。身一つで創業した孫氏にはお金がありません。成長性が高い分野でありながら、それほど資金を必要とせず、安定収益が得られる業態としてわざわざ流通を選択したわけです。その後パソコン・ブームの到来とともに多数のパソコン雑誌を創刊。上場企業の切符を手にします。

無謀と言われたコムデックスの買収

 普通の経営者であれば、ここで満足し、安定成長への道を模索するのでしょうが、孫氏は違いました。上場で得た資金を惜しげもなく投入し、米国企業を次々と買収していったのです。

 孫氏の買収案件は常に無謀だと言われ続けました。第1号の大型案件だったコンピュータ展示会コムデックスの買収では、ただの展示会に8億ドル(当時の為替レートで約800億円)もつぎ込むなど狂気の沙汰だという評価でした。しかし、IT業界では非常に有名だったこの展示会を手に入れたことでシリコンバレーの人脈を獲得し、最終的にはヤフーという金の卵を見つけることができました。ヤフーが世界的企業になったことで、ソフトバンクの時価総額も一気に跳ね上がります。

2006年のボーダフォン買収

 ここで孫氏は再び賭けに出ます。せっかくIT業界で大きな立場を築いたにもかかわらず、これを捨て去り、電話会社を次々に買収していったのです。2004年には約3400億円を投じて日本テレコムを、2006年には約1兆7500億円を投じてボーダフォンを買収します。

 一連の買収についても金額が高すぎるとの評価でしたが、結果としてはそれほど高い買い物にはなっていません。孫氏は日本での足場を固めると、今度は米国進出を目論み、米国の携帯電話会社スプリントを買収したのです。この案件も買収価格が高いと批判されていますが、最終的な結果がどうなるのかはまだ分かりません。

天才的なレベルの買い物上手

 孫氏がここまで成功できたのは、天才的なレベルで買い物上手だったからでしょう。動物的カンと評価する人もいますが、孫氏はコツコツと緻密に情報収集をすることでも知られています。こうした地味な努力が大型案件の成功につながっているのです。


(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2016/4/6(水) 13:34
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