ここから本文です

世界の大富豪 (2)既存の価値観から自由な天才 ── イーロン・マスク

2016/4/9(土) 8:00配信

THE PAGE

 イーロン・マスク氏は非常にユニークで型破りな起業家として知られ、映画アイアンマンのモデルになった人物とも言われています。1999年、現在のペイパルの前身となる企業を設立しこれが大成功したことで巨万の富を得ますが、彼の真骨頂はむしろここから発揮されることになります。

既存の価値観から自由な天才

 2002年に民間の宇宙開発会社であるスペースX社を創業し、民間宇宙ビジネスに乗り出します。さらに電気自動車ベンチャーであるテスラモーターズに出資するとともに自らがCEOに就任。全世界的な電気自動車ブームを巻き起こしました。さらには減圧されたチューブ内を時速1200キロで走行する超高速輸送システムの開発に着手するなど、一般人には到底思いつかないアイデアを次々にブチ上げていきます。

 マスク氏はまさに天才肌ですので、一般的な解釈で成功の法則を見出すことは難しいのですが、あえて言うならば既存の価値観から自由であることや徹底した合理主義者であるという点があげられるでしょう。

 マスク氏は、テスラモーターズの業容拡大のために、ネバダ州に巨大な電池工場(東京ドーム28個分)の建設を指示しました。あまりにも広いため移動が困難と考えたマスク氏は本気でジェットコースターの設置を検討したそうです。既存の価値観に縛られた凡庸な経営者からはこうした発想は出てきません。

自分より知識に欠ける専門家は無用

 一方で人材の評価基準は徹底しています。マスク氏は専門家を雇う場合には、絶対的に自分よりもその分野に詳しいことを求めます。日本企業から転職したある技術者は、マスク氏と廊下で立ち話をした際、マスク氏の方が詳しい部分があったことが分かり、その場で解雇されてしまったそうです。普通の人なら、部下よりも自分が物知りであれば、優越感を持つかもしれません。しかし徹底した合理主義者であるマスク氏にとって、自分よりごくわずかでも知識に欠ける専門家など無用の長物というわけです。

 マスク氏の型破りな言動は、分野こそ違いますが、ヴァージン・グループを創業した英国の起業家リチャード・ブランソン氏とイメージが重なる部分があります。人を驚かせ続けたブランソン氏も今では65歳となりました。まだまだパワーは健在ですが、どんな人にも老いは訪れます。マスク氏はまだ44歳ですから、時間はたっぷりありますが、彼の最大の敵はやはり老いなのかもしれません。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2016/4/9(土) 8:00
THE PAGE