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世界の大富豪 (5) 石油ビジネスを独占 ── ジョン・ロックフェラー

2016/4/22(金) 13:14配信

THE PAGE

 時代によってお金の価値は変わりますが、ジョン・ロックフェラー氏は、現在の価値に換算してもっとも巨額の富を稼いだ一人といってよいでしょう。ロックフェラー氏は石油企業であるスタンダード・オイルを創業し、石油ビジネスをほぼ独占しました。しかし最終的には独占禁止法が適用され、同社はいくつもの企業に分割されてしまいます。会社の分割で社会への影響力は低下しましたが、ロックフェラー氏は、資産家として、慈善活動家として生涯を通じて積極的に活動しました。

流通に徹して規模の拡大を目指す

 ロックフェラー氏の石油ビジネスはオハイオ州の油田から始まりました。当初は小さな製油所でしたが、競合を次々と買収し巨大な石油会社に成長します。新しい技術であったパイプラインを駆使して価格を安く抑えるとともに、鉄道会社を買収し、ライバル会社の石油輸送を邪魔するなど、かなり強引な手法も使ったようです。

 こうして、わずか十数年で全米屈指の石油会社となります。リスクの大きい石油採掘ビジネスは避け、製油や流通に徹することで規模の拡大を目指すという戦略は、ソフトの流通に特化したソフトバンクの孫正義氏にも通じるところがあります(第1回を参照)。

 やがてスタンダード・オイルは、関連するあらゆる業種をカバーする独占企業となり、ロックフェラー氏の財産も空前絶後の水準まで膨れ上がりました。

独占禁止法の成立はロックフェラー氏が原因とも

 ロックフェラー氏がここまで成功できたのは、やはり時代の影響が大きいでしょう。当時の米国は今ほど独占事業に対する制裁は厳しくなく、ロックフェラー氏は自由に価格を操作することができました。

 現在の厳しい独占禁止法は、ロックフェラー氏のビジネスがあまりにも強くなったことが原因でできあがったとも言われます。マイクロソフトやグーグルのような巨大企業には常に独占禁止法に違反しているのではないかという厳しい視線が向けられますから、当時のスタンダード・オイルのように振る舞うことは現在では不可能です。

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最終更新:2016/4/22(金) 13:14
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