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景気低迷はリーマンショックほどではないのに、なぜ消費増税先送り案続出?

2016/4/11(月) 16:00配信

THE PAGE

 消費増税を再延期する可能性が日増しに高まっています。安倍首相は今のところ否定していますが、市場は、増税先送りをほぼ織り込んだ状況にあります。消費増税は先送りすべきなのでしょうか。

選挙も一役? 市場も延期を織り込み済み?

 消費税は2017年4月に現在の8%から10%に増税される予定となっています。当初は15年10月に増税するはずでしたが、安倍政権は景気の動向が良くないことから、引き上げを1年半延期していました。景気次第で増税を先送りできる、いわゆる「景気条項」は削除されていますから、本来であれば17年4月には確実に増税する必要があります。

 しかし、永田町では消費増税の再延期を求める声が高まっており、安倍首相も再延期に前向きといわれています。3月には「リーマンショックや大震災のような事態がない限り延期しない」と発言していますが、市場はそのようには理解していません。その理由は、安倍首相が、ジョセフ・スティグリッツ教授やポール・クルーグマン教授など、消費増税に否定的な見解を示す国際的な経済学者と次々会談しているからです。選挙が近いこともあり、増税延期を発表した上で、衆参ダブル選挙という観測も出ていますから、少なくとも市場は、延期を完全に織り込んでいます。

増税先送り案の根拠は?

 増税先送り案が出ているのは、足元の景気がかなり厳しい状況に陥っているからです。特に消費は壊滅的となっており、家計の支出はマイナスが連続しています(2月はプラスになりましたが、これはうるう年の影響であり、これを除くとやはりマイナスです)。

 消費税を増税すると家計の所得は減ってしまいますが、税金で徴収された分は、政府支出となり、最終的には家計の所得に返ってきます。中長期的に見れば消費増税はそれほど景気に悪影響を与えないとみてよいでしょう。しかし、経済の基礎体力が弱っている状態で増税すると、目の前の消費を直撃してしまいます。増税によって、消費がさらに落ち込んでしまう可能性もあるわけです。 

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最終更新:2016/4/11(月) 16:00
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