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【英国・ポンド】経済は順調だが、6月の国民投票での”EU離脱”が懸念材料

2016/4/20(水) 7:00配信

THE PAGE

 英ポンドは、英国の通貨で正式名称はポンド・スターリング(スターリング・ポンド)といいます。第二次世界大戦より前、英国は今の米国のような立場であり、世界の覇権国家として君臨していましたから、英ポンドも、基軸通貨として全世界で使われていました。しかし戦後、経済と金融の覇権が米国に移ってからは、英ポンドは、他の通貨と同様、地域通貨の一つという位置付けになっています。

ボラティリティーの大きさと高め金利

 ただロンドン市場は、為替の分野ではニューヨーク市場を凌ぐ規模であり、今でも世界の金融市場において大きな影響力を持っています。このため、英ポンドは米ドル、ユーロ、円に次ぐ取引量があります。もっとも、米ドル、ユーロに比べれば、メジャーな通貨ではありませんから、ボラティリティー(値動きの激しさ)は大きいと考えた方がよいかもしれません。

 英ポンドは基本的に英国の通貨ですから、英国の経済指標との関連性が高いとみてよいでしょう。地理的には欧州に近い場所にあり、ユーロ圏経済との関係が密接です。ただ、ユーロ圏とは異なる独自の金融政策が採用されますので、為替が必ずしもユーロと同じ動きになるわけではありません。現在、ユーロ圏はマイナス金利を導入しており、金利が極めて低い水準で推移していますが、英国はユーロ圏に比べると金利は高めです。英国の高めの金利に着目して取引する人も少なくないようです。

6月のEU離脱の是非を問う国民投票結果次第では……

 現在、先進国の中で経済がもっとも順調なのは米国で、次に英国、ユーロ圏、最後に日本という順番になります。したがって、インフレ率も、米国ほどではありませんが、ユーロ圏よりは高くなっています。今後も英国のインフレ率は高めに推移する可能性が高いでしょう。当面はユーロ圏とのインフレ率の差に注目する必要がありそうです。

 中長期的にもっとも重要となるのは、やはり英国のEU離脱問題でしょう。EUは今年2月、英国が求めていたEUの改革案を受け入れ、EU域内からの移民が増加した場合には、移民への社会福祉を制限する措置を認めました。英国では6月23日にEUに残留するか離脱するのかを問う国民投票が実施されます。英国のキャメロン首相は、EUに妥協案を認めさせた実績をアピールし、英国民に対してEU残留を説得しています。しかし同じ保守党内でも、ロンドン市長であるジョンソン氏がEU離脱派に回るなど、国民投票は予断を許さない状況です。もしEU離脱ということになると、英ポンドは大きく売られる可能性が高いでしょう。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2016/4/20(水) 7:00
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