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村上春樹さんが朗読会を開いた熊本・名物書店のいま

2016/4/21(木) 17:44配信

BuzzFeed Japan

村上春樹さんが朗読会を開いた、小さな書店が熊本市にある。名前を橙書店という。地震で書店はどうなったのか。4月21日、オーナーの田尻久子さんがBuzzFeed Newsの取材に応じた。田尻さんは言う。「お店の片付けが忙しくて、まともに連絡を返せていませんが、みなさんにお伝えください。橙書店は必ず、営業を再開します」【BuzzFeed Japan / 石戸諭】

店の扉をあけると、左手に緑色の椅子がある。奥には掃除機、床には本が整理して並べてあった。田尻さんが片付けをしている。紺地のカットソーに、ワイドパンツ。表情にはやや疲れが見えるが、声は快活そうだ。

「隣の喫茶店は、地震の影響で扉も開かなくて、どうなるかわからないのですが、書店の方はなんとかやっていけそうです」

橙書店は熊本を旅した村上春樹さんが、詩の朗読会を開いた書店だ。紀行文集『ラオスにいったい何があるというんですか?』に、こう綴っている。

「自分の気に入った本しか置かないいわゆる『セレクト・ショップ』で、自己啓発本なんかは一冊も置いてない。(中略)商売としてはんかなか簡単ではなかろうと推察するわけだが、しらたまくんの手助けや(文字どおりの猫の手)、熱心な顧客の応援もあって、熊本カルチャーの一翼をしっかりと元気に担っている」

村上さんはこの時、自作の『ヤクルト・スワローズ詩集』を朗読したという。この縁があり、村上さんは地震をうけて、「CREA<するめ基金>熊本」を立ち上げた。

村上さんは、ここの猫「しらたま」が気に入ったらしく、「愛くるしい猫で、僕も思わずめろめろになってしまった。たしかにこんなよくできた猫はなかなかいないだろう」と書く。

名物猫のしらたまは……

しらたまはどうなったのか。田尻さんがスマートフォンを取り出して、被災直後のお店の様子を見せてくれた。床に散乱した本が写っている。

「実は、1回目の地震(14日の地震)のとき、しらたまは店の中にいたんです。本が落ちてきたのが怖かったんでしょう。姿を隠しちゃった。店の中にいるはずなのに、どこに隠れたのかわからなくて。私、余震の中、探しに行ったんです。あれが一番怖かったかな」

「これが、しらたまです。すごく怖がちゃって」。丸まって寝ているしらたまの姿が、画面に映る。知人宅に避難していて、なんとか無事らしいが、地震を怖がっているという。

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最終更新:2016/4/21(木) 17:44
BuzzFeed Japan