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首相がいう「ヘイトスピーチない国」は実現できるか? 対策法案の審議がヤマ場

2016/4/23(土) 17:43配信

BuzzFeed Japan

「日本から出て行け」「ゴキブリを殺せ」などと排外主義や差別を煽るヘイトスピーチ。いま、自民・公明による対策法案が、国会で議論されている。どのような内容で、何が争点になっているのか。

安倍首相「ヘイトスピーチは断じてあってはならない」

安倍首相はヘイトスピーチについて、2015年4月、参議院予算委員会でこう語った。

「他の国や、あるいは民族、文化に対して、そうした国々あるいは人々に対して憎悪をあおるような、そういうヘイトスピーチは断じてあってはならないし、日本の国内において行われることのないような国にしていきたいと、このように考えております」

定義が極めて限定的

「殺せ」「日本から追い出せ」。街頭で繰り返されたヘイトスピーチは、動画サイトなどで拡散し、大きな社会問題となった。与党は2014年にプロジェクトチームを発足させて対策を話し合っていた。

では、ようやく提出された自公の法案の内容はどのようなものか。ヘイトスピーチ問題に取り組む社会学者明戸隆浩さんと、表現の自由に詳しい山口貴士弁護士に聞いた。

2人が共に指摘するのは、ヘイトスピーチの定義が極めて限定的ということだ。そこには、規制が不十分になる問題と表現の自由の範囲との兼ね合いがあるという。

対象が「本邦外出身者」であること

法案は次の条件を満たすものを「ヘイトスピーチ」と定義している。

・対象が「本邦外出身者」であること
・差別的意識を助長・誘発する目的があること
・公然と生命、身体、自由、名誉、財産に危害を加える旨を告知するなど
・出身を理由に、地域社会から排除することを扇動する不当な差別的言動

独特なのが、対象を「本邦外出身者」に限定している点だ。これは、外国出身者とその子孫で、適法に居住している人のことだとされている。

山口弁護士は「本邦外出身者なんて聞いたこともない言葉。これでは狭すぎて、最低限のところもカバーできません」と指摘する。

「居住」が要件となっているため、旅行者が除外される可能性があるという。「旅行者が差別的な言葉を投げかけられるのは、問題じゃないのでしょうか」

明戸さんは「この定義では、アイヌの人が対象に入りません。先日の審議では付帯決議で対応するという答弁もありましたが、どういう形になるのかはまだ不透明です」

「適法に居住している」という点も問題だという。

2009年、オーバーステイで両親が強制退去となったフィリピン人一家にヘイトスピーチが向けられたことを例にあげ、「オーバーステイの人なら、差別的言動を受けてもいいということはありえません。さらに言えば、『在日は不法入国者の子孫だ』というのは、テンプレ的な差別的言動の一つです」

このままだと、ヘイトスピーチをする人たちに、「これ以外の差別発言ならOKだという間違ったメッセージ」を送ってしまう危険性があるという。

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最終更新:2016/4/23(土) 19:19
BuzzFeed Japan

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