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<熊本地震>前を向いて歩いていく 日常生活の場として機能し始めた避難所

2016/4/25(月) 20:19配信

THE PAGE

動画URL:https://www.youtube.com/watch?v=4qSEfx3a73A

がんばるけん! 河原小学校避難所

 避難所と聞けば、人々が布団の上に呆然と座り込んだり、炊き出しに並んだりするシーンが思い浮かぶ。しかし、本震から1週間以上が経ち、約350人が身を寄せる熊本県西原村の河原小学校では、避難所がそれぞれの日常生活の場として機能し始めている。ここから会社に出勤する人、農作業に向かう人、避難所をより快適な空間にしようと努力する人……。緊迫した避難所とは違う風景が見えてきた。

 24日午前6時半。外構資材会社勤務の緒方崇博さん(31)がジャージ姿で、校舎近くに停めているマイカーに乗り込んだ。妻と幼い娘2人と体育館で寝泊まりしており、車でスーツに着替え、営業車で出勤するのだ。この日から本格的に会社の業務が始まった。昼は愛妻弁当に代わり、味気ないカップ麺だ。

 「わがままは言えないが、夜、晩酌して、少しゆっくりしたい」と話す。

 家族4人で避難している、火葬場に勤める男性(35)は、週末、実家の農業を手伝った。

 「平日も週末も忙しく、開いている遠方のスーパーに買い出しにも行けない。避難所に頼るしかない」

 西原村の特産、サツマイモは今が苗植えの最盛期だ。堀田芳治さん(75)、美津代さん(75)夫婦は、避難所での朝食もそこそこにトラックで畑に向かった。苗は植え替え前に伸びすぎると、良質のイモが育たない。地震の数日後には、なんとか無事だったビニールハウスから苗を切り取る作業を始めたという。品種は、数年前に村で生まれた、絹のような食感が人気の「絹おとめ」だ。

 「ここはひび割れて、向こうは波打っていて、だいぶ、やられました」

 畑に着くと、美津代さんが説明してくれた。苗付けができない畑も多い。サツマイモ約200キロを入れていた貯蔵庫は傾き、扉が開かなくなり、出荷は諦めた。40年以上、農業をやってきたが、こんな被害は初めてだ。

 「でも、生きていかないけん。苗は植えなきゃ」

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最終更新:2016/5/2(月) 22:33
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