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<新選組のルーツを訪ねる>大和守源秀国を所蔵「井上源三郎資料館」

2016/4/29(金) 10:00配信

THE PAGE

 幕末の京の都で反幕府勢力を取り締まり、戊辰戦争では幕府軍として転戦した末に時代の中へ消えていった新選組。歴史ファンのみならず、ドラマ、アニメ、ゲーム、小説など創作の題材としても人気を集める新選組のルーツを訪ねる。源三郎や、その兄・松五郎にまつわる各種資料を展示する「井上源三郎資料館」は、松五郎から数えて5代目の子孫にあたる井上雅雄氏(61)が館長を務めている。

文武両道の新選組6番隊組長

 JR中央線日野駅を下車し、目の前を走る甲州街道の横断歩道をわたって静かな集落の中へ。大体5分ほど歩けば、青地ののぼりと、白壁に赤い文字で「誠」と書かれた蔵が見えてくる。そこが、井上源三郎資料館だ。

 平成16年(2004)1月、蔵を改装して資料館を開館した契機となったのは、NHKの大河ドラマ「新選組!」の放映開始。源三郎を演じた小林隆氏について、井上館長は「温厚かつ誠実な源三郎を演じてくれて、女性ファンが増えました」と振り返る。

 井上源三郎は文政12年(1829)、江戸幕府の家臣団である八王子千人同心の家に生まれた。天保5年(1834)生まれの近藤勇よりも5歳、天保6年(1835)生まれの土方歳三よりも6歳年上になる勘定だ。

 その後、日野宿金子橋にあった日野嘉蔵義貴の寺子屋で学問を学ぶとともに、弘化4年(1847)ごろには、松五郎に伴われて天然理心流の近藤周助に入門した。それから10年あまりの鍛錬を経て、万延元年(1860)に免許を受けた。資料館には、源三郎が授かったという天然理心流の免許が展示されている。

 文久3年(1863)2月、時の将軍・徳川家茂の上洛に際し、近藤勇や土方、沖田総司らとともに警護役の浪士として上洛。警護には八王子千人同心も加わっており、松五郎がその旅の記録を記した「文久三年御上洛御供旅記録」が資料館にある。この中には、松五郎が仕事の合間に近藤勇や源三郎と会ったという話も記されているという。松五郎関連ではこのほか、近藤勇から贈られた刀・大和守源秀国も所蔵する。

 上洛後、源三郎は新選組に参加。新選組副長助勤・六番隊組長となり、元治元年(1864)6月の池田屋事件、同年7月の蛤御門の変などで活躍した。新選組では、局長である近藤勇のSPのような役割も担っていたという。

 「源三郎のことを『文武劣等』と書く人もいますが、実際にはきちんとした教育を受けていますし、天然理心流の免許も授かっています。文武両道なのです」と井上館長は強調する。

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最終更新:2016/5/2(月) 10:35
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