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このペースでマ軍のイチロー3000本ビジネスは成立するのか?

2016/4/27(水) 14:00配信

THE PAGE

「マイアミといえば、フットボールタウンだ。マイアミ・ドルフィンズ、マイアミ大学の人気は絶大なものがある。彼らのシーズンは9月から始まり、イチローが打つ時期と重なるかもしれない。フットボールとマイアミのスポーツファンの奪い合いになったら、分が悪い」

 加えて、別の記者からは、イチローとマイアミの関係の浅さを懸念する声もあった。

「まだ1年。マイアミのファンはイチローの全盛時を知らない。そんな彼らがどこまで入り込めるか」

 ボッグスの場合、ヤンキースでプレイしていた。タンパはヤンキースのキャンプ地でもあり、互いになじみ深い。タンパには、レイズファンよりむしろヤンキースファンの方が多く、球場に足を運んだのは、そんな彼らではなかったか。その記者は、「日米通算でピート・ローズを抜く頃から、3000本安打に向けて、上手く煽っていければ」とも話していたが、日米通算こそアメリカではなかなか認められない数字。盛り上がりも限定的ではないか。

そもそも、現在は、3000本に届くのか? という微妙なペースになっている。何しろ出場機会が限られるのだ。25日現在、出場試合数は18試合中12試合で、打席数は21にとどまっている。これは189打席ペースで、現在の打率.368をキープしたとして、最終的な安打ペースは63本だ。ヒットを打つには打席に立つしかないが、目下のところ、3人の外野手……スタントン、マーセル・オズナ、クリスチャン・イエリッチの3人が健在で、“休養”以外でスタメンから外れることはない。彼らに故障でもない限り、イチローの打席数が増えることはない。

 その背景にはドン・マッティングリー監督のこんな考え方もあるよう。キャンプのとき、イチローに3000本安打を打つのに十分な出場機会を与えることは大切かと聞かれ、こう答えた。

「昨年は出場機会が多すぎた。今年も同じようなパターンになるなら、それはチームにとって良くはない。誰かがケガをしている、ということだから。かといって、出場機会を制限することはないが、使いすぎないようにしなければ」

 マティングリー監督は、常時出場させるのではなく、イチローを控えとして起用することにより、最大限の価値を引き出せると考えている。今は、それを実戦しているまでのこと。となると、26日の試合前の時点で58本という残りの数字は、近いようで、なかなか手の届かないところにある。

 さて、3000本安打のビジネスに戻せば、最大のマーケティング価値を生む場所というのは、ここを外して考えられない。イチローとマイアミの関係性を指摘した前出の記者も言う。

「もちろん、シアトルだ」

 今季、マーリンズが遠征でシアトルへ行くことはない。現実味を欠く話だが、カウントダウンが始まれば連日のようにチケットが売り切れるはず。5万人近いファンに囲まれて達成という光景は理想と言えば理想だが果たして・・・。

(文責・丹羽政善/米国在住スポーツライター)
   

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最終更新:10/3(水) 16:45
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