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企業の成績表 5分でわかる決算短信の読み方(中)財務体質を知るには?

2016/4/28(木) 7:00配信

THE PAGE

 前回は決算短信の中でもっとも重要な、連結経営成績(売上高や利益)について説明しました。今回は会社の財務体質を分析する項目について解説します。

企業の成績表 5分でわかる決算短信の読み方

 よくメディアの記事やアナリストの分析などで「財務体質は良好」といった記述を目にすることがあります。これは一般に、自己資金が豊富で、借金に依存していないということを示しています。財務体質がどうなっているのかを把握したい時は、連結財政状態という項目を見るとよいでしょう。

財務の健全性はどこを見ればわかる?

 連結財政状態の項目には、企業の貸借対照表(バランスシート)の状況がごく簡単に記載されています。ここで注目すべきなのは、その企業の総資産と資本合計(純資産)です。事業を行うにはお金が必要ですが、企業というのは、自己資金と銀行からの借り入れによって資金を調達し事業を行っています。自己資金というのは株主が出資した資本金と過去からの利益の蓄積(利益剰余金)のことを指します。

 総資産というのは会社が持っている資産の総額ですが、もし総資産が1兆円で自己資本が3000億円だった場合には、会社が持っている事業資産のうち3割が自己資金でカバーされていることを意味しています。残りの7000億円は銀行などからの借り入れということになります(実際の財務諸表はもう少し複雑ですが、おおまかにはこうした理解で十分でしょう)。総資産に対する自己資本の割合を自己資本比率と呼びますが、決算短信にはこの数字が記載されています。

自己資本比率高ければ財務体質が良好なわけではない!?

 財務体質が良好な企業の場合、自己資本比率は50%を超えています。このような企業は、借金には依存していませんから、仮に業績が悪くなった場合でも、しばらくは自己資本で食いつなぐことができます。ただ、見方によっては、銀行をうまく活用してもっとたくさんの資金を調達し、業績を拡大させる余地があると考えることもできるでしょう。あまりに自己資本比率が高い企業は、資金を有効活用していないとして、市場からよくない評価を受けることもあります。

 一般的な上場企業の自己資本比率は、25%から50%程度ですが、業種や業態、経営方針によって数字は変わってきます。どのくらいの自己資本比率が適切なのか一概に決めることは難しいでしょう。しかし自己資本比率が10%を切ってくると、危険水域と認識される可能性が高くなります。この水準まで落ち込んでいる企業の場合には注意が必要です。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2016/4/28(木) 7:00
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