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企業の成績表 5分でわかる決算短信の読み方(下)株価は割安か?割高か?

2016/5/2(月) 7:00配信

THE PAGE

 前回は、企業の財務体質を知るための項目について言及しました。今回は、決算短信からその企業の株価が割高なのか割安なのかを知る方法について解説します。

企業の成績表 5分でわかる決算短信の読み方

 決算短信には、1株あたりの純利益について示した項目があり、「1株当たり当期純利益」などと書いてあります。これは第1回で解説した当期純利益を株数で割って、1株当たりの数字に計算し直したものです。

 企業の株価をこの1株あたりの利益で割った数字が、株価の割高、割安を示す株価収益率(PER)と呼ばれるものになります。1株当たりの純利益が150円で、その企業の株価が3000円だった場合にはPERは20倍と計算されます。

 PERは、株価がその企業における何年先の利益まで見込んでいるのかを示しています。先ほどの例では、その企業に投資すれば、理屈上1年で150円の利益が得られるのですが、株価は3000円ですから、20年先の利益まで見込んだ形で株価が形成されていることになります。

 PERがいくらなら妥当なのかは、その企業が属する業界などで変わってきます。ネット業界など、今後、急成長が見込まれている分野の場合には、50年先、場合によっては100年先の利益まで織り込まれてしまい、PERは50~100倍といった数字になることがあります。

 一方、成長があまりないと思われている分野の場合には、10倍以下であることも珍しくありません。したがって割高、割安を考えるときには、同業他社と比較してPERが高いのか低いのかを検証します。業績も順調で大きな問題がないのに、PERが同業他社より低い企業は、場合によっては他社のPERと同じ水準になるまで株価が上昇する可能性があります。

もし低いPERの会社を見つけたら?

 ただ、何の理由もなく、他社よりPERが低いということは通常あり得ませんので、もし低いPERの会社を見つけた場合には、なぜそうなっているのかしっかりと分析することが大事です。PERが下がっている理由としてよくあるのは、来期以降の業績がよくないというパターンです。

 来期の業績見通しについては、ページの下の部分に書かれていますから、この数字を参考にしてください。もし来期の業績見通しが今期と比較して増収増益になっているにもかかわらず、PERが同業他社より低いのであれば、購入を検討してもよいかもしれません。

 同じような指標に株価純資産倍率(PBR)というものもあります。これは、株価が1株あたりの純資産の何倍になっているのかを示しています(1株あたりの純資産は、連結財政状態の最後に書いてあることがほとんどです)。PBRが1倍を割っていた場合、会社が持つ純資産よりも株価の方が安いということを意味していますから、こうした企業の株は「買い」だと言われます。しかし相場全体の低迷や、業績不振が原因となっていることもありますから、すぐには飛びつかない方が賢明です。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2016/5/2(月) 7:00
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