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GDPの速報は2回発表 速報値、改定値、確報値はそれぞれどう違う?

2016/5/9(月) 7:00配信

THE PAGE

 経済指標のニュースには、速報値と確報値という言葉がよく出てきます。速報は早く出てくる暫定値で、確報は数値が確定したものということは何となく分かりますが、詳しくはどうなっているのでしょうか。

 指標の発表にあたって速報と確報を分けている事例はいくつかありますが、ここではもっとも重要度の高い経済指標である国内総生産(GDP)に絞って、速報と確報の違いについて説明します。

GDPの速報は四半期に2回発表される

 国内総生産(GDP)は、その国が1年間に生み出した付加価値の合計ですから、正式なGDPの数値が分かるようになるまでには、次の年まで待つ必要があります。しかし、政府や市場関係者などGDP統計を政策やビジネスに活用したいと考えている人にとっては、それではタイミングが遅すぎます。このため、内閣府では、できるだけ早く直近のGDP成長率が分かるよう、四半期ごとに速報値と呼ばれるものを発表しています。

 速報値は2回発表されることになっており、1回目は四半期が終了してからおよそ1カ月と2週間後に、2回目は四半期が終了してからおよそ2カ月と10日後に明らかとなります。一般的には、1回目をGDP速報値、2回目をGDP改定値と表記することが多いようですが、正式な名称はどちらも速報値(1次速報と2次速報)です。2016年1~3月期のGDPについては、速報値は5月18日に、改定値については6月8日に公表される予定です。

 ちなみに確報値は翌年の12月にならないと発表されませんし、確報値もその翌年には再び改定され、確々報値となります。5年経過すると算定基準も改定されていきますから、厳密に言うと、GDPの数字が確定することはありません。常に数値は見直されていくことになります。

速報値と改定値の結果がかい離している理由は?

 速報値と改定値では、用いる統計データが異なっており、結果がかい離することもしばしばです。GDPは単独の統計ではなく、工業統計や法人企業統計など各種の統計データから算出されます。したがって、速報値を算定する段階で最新の結果が公表されていない場合には、それは速報値に反映されません。

 例えば速報値の段階では、完全な工業統計表は作成されていないため、鉱工業指数など大まかなデータを使って個人消費の額を推定します。また、GDP成長率に大きな影響を与える企業の設備投資についても、速報値の段階では、法人企業統計が出揃っていませんから、実際に投資した金額を直接知ることはできません。この場合も供給側(モノを売った側)の情報から推定するという形になりますので、改定値になると数字が大幅に変わることがあります。

 例えば2015年7~9月期の実質GDPでは、速報値において設備投資が前期比マイナス1.3%だったにもかかわらず、改定値ではプラス0.6%と大幅に上方修正されました。その結果、GDP全体の数字も、マイナス0.2%からプラス0.3%に修正されています。速報値は速さを重視する分、精度が落ちていますから、あくまでも暫定値だということを理解した上でニュースを見た方がよいでしょう。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2016/5/9(月) 7:00
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